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10ccはグレアム・グールドマン、エリック・ステュアート、ロル・クレーム、ケヴィン・ゴドリーというマンチェスター出身の 4人で結成され、1972年にシングル‘Donna’でデビューした。グールドマンは古くはホリーズの「バス・ストップ」やヤー ドバーズの「フォー・ユア・ラヴ」の作者としても有名な人。音楽雑誌などで良くビートルズのフォロワーという特集がある と必ず登場してたりするのが彼らだったりするが、それは彼らの類い稀なポップ・センスがそう呼ばれるのであろう。 私が最初に聴いたのはラジオでデビュー・アルバムであったが、その時は全然ピンと来なかった。当時は直線的なロッ クが好きだったもので、そのヒネリの効いたサウンドはすぐには馴染めなかったのが正直なところだ。 後に75年発表の「オリジナル・サウンドトラック」から「アイム・ノット・イン・ラヴ」が大ヒットするが、この曲が高校卒業後 友人と初めて見に行ったストリップ劇場で流れた時は本当、ビックリした。その時依頼この曲が好きになった訳だ(笑)。 オリジナル・メンバーは1976年までだが、1977年には新メンバーにてアルバム「愛ゆえに」をヒットさせ同年初来日も果 す。ここではオリジナル10ccにスポットを当てて、アルバム紹介してきたい。 |
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10cc (1973) |
オープニング・ナンバーの‘Johnny Don't Do It’のイントロのファンファーレからしてすでに人を食ったような ナンバー。ビートルズの‘Oh!Darling’をパロった‘Donna’(全英2位)と共にフォー・トップスを思い出させる ファルセット・ヴォイスが印象的だ。全英1位となった傑作‘Rubber Bullets’や、‘The Dean And I’‘Headline Hustler’‘Ships Don't Disappear In The Night’などの聴いていて思わずウキウキしちゃうような遊び心一杯 のナンバーがやはり彼らの最大の持ち味だろう。そこにはアメリカン・ポップスなども彼ら流に上手く消化し て取り入れているように思える。例えばビーチ・ボーイズ風のコーラスであったりするのだが。 良く彼らを称してウィットに富んだサウンド&メロディと言われるようだが、それはこのアルバムを聴き込めば 判ることだ。 |
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Sheet Music (1974) |
ポップ・センス爆発のセカンド・アルバム。ここには良質なブリティッシュ・ポップのエッセンスがギッシリと詰 まっている。後のゴドリー&クレームのチームとステュアート&グールドマンの曲調の対比も面白く、前者は やはりそのサウンドに色々な映像が浮かんでくるようなものが多く、後者はストレートなポップスといったとこ ろであろうか。ポール・マッカートニーやクイーンなどにも通じる生粋のブリティッシュ・メロディがふんだんに 散りばめられた‘Hotel’‘Old Wild Men’‘Clockwork Creep’といったレコードで言う所のA面の3曲も遊び心 満点の楽しいナンバーならば、B面の‘Silly Love’のようなオールディーズをパロディ化したようなロックン・ ロール・ナンバーもまた聴いていて痛快至極なナンバー。途中の転調するところなんかは思わずニヤリとさ せられてしまう。オリジナルは良く判らないが、いろんな古い映画などのパロディが一杯つまっていそうで、 さり気なくちらちらっと見せているところがにくい。ジャケットデザインはヒプノシス。 |
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The Original Soundtrack (1975) |
60年代の映画のような効果音で始まる、彼ら一流のウィットに富んだ架空のサウンドトラック・アルバム。 3曲の組曲からなる‘Une Nuit A Paris’からしてすでにその術中にはまってしまう。ある風景やシーンを想像 させるようなサウンド・コラージュの手法は見事という他なく、コーラス・ワークが冴え渡ってるこのアルバム の冒頭を飾るに相応しいナンバーだ。‘I'm Not In Love’(英1位、米2位)はもちろん彼らの代表曲であって 文句なしの名曲。何回も聴きこむことによってその良さがにじみ出てくる曲だ。他にこれと言った曲がないに も関わらず、名盤とされているのはなんでだろう?といつも思ってしまう。それでも‘Life Is A Minestrone’ (邦題:人生は野菜スープ)は個人的に大好きな曲で、極上のブリティッシュ・ポップ・メロディを堪能させてく れるこのナンバーは、私の中での「10ccのイメージ」にピッタリ。 |
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How Dare You (1976) |
珍しくインストゥルメンタルを一曲目に持ってきた彼ら4枚目にして、オリジナル10cc最期のアルバム。軽い ポップス調の曲が目立ち、彼ら特有の多少アクのあるセンス・オブ・ユーモアが消えてしまったような気がす る。聴き終わった後、印象に残る曲がないのだ。ジャケットは最高なんだけど。どちらかと言えばゴドリー& クレームの色が濃く出たアルバムかもしれない。その中でお気に入りのナンバーはと言えば、ステュアート &グールドマンが作曲に名を連ねる‘I'm Manday Fly Me’と‘Art For Arts Sake’だ。特に前者のイントロと か途中でガラッと変わるあたりは独特のポップ感を満喫させてくれる。‘Iceberg’のボードビル調の感じなん かはクイーンあたりが良くやる手法かな。 |
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10cc In Concert (1995) |
10ccのライヴ・アルバムと言えば、77年発表の‘LIVE AND LET LIVE’が有名だが、このキング・ビスケット のライヴはオリジナル・メンバーによる貴重なものだ。時期はちょうど3枚目のアルバムを発表した直後で、 1〜2枚目からの選曲となっている。‘LIVE AND LET LIVE’と大きく違うのは演奏がラフだという点だ。どち らかと言えば3枚目以降はスタジオ・ワークを駆使したサウンド作りと言えるのかもしれないが、ここでは本 当に4人の演奏を中心としたギターが全面に押し出されたライヴである。‘Silly Love’‘Rubber Bullets’ ‘Ships Don't Disappear In The Night’‘The Wall Street Shuffle’といった曲はライヴ・バンドとしての彼らを 再認識したような気がする。特に10分以上にも及ぶ‘Rubber Bullets’ではその熱演とコーラス・ワークが存 分に楽しめる、ここでの必聴曲だろう。彼らのエンターテイナー振りが遺憾無く発揮された好ライヴ・アルバ ムと言える。 |
