AC/DC (エーシーディーシー)


If You Want Blood
You've Got It (1978)
1.RIFF RAFF
2.HELL AIN'T A BAD PLACE TO BE
3.BAD BOY BOOGIE
4.THE JACK
5.PROBLEM CHILD
6.WHOLE LOTTA ROSIE
7.ROCK'N ROLL DAMNATION
8.HIGH VOLTAGE
9.LET THERE BE ROCK
10.ROCKER

AC/DCは言ってみればロック第三国とも言うべきオーストラリア出身のバンドなのだが、そのスタイルは
正統派ブリティッシュ・ロックの良質な部分を下敷きにアメリカン・ロックの呆気羅漢とした能天気な部分も
兼ね備えたバンドと言える。
私の持論として優れたライヴ・アルバムは2枚組みと言うのが一つあるのだが、このアルバムに於いては
それが全く当てはまらない。何故ならアルバム冒頭からラストまで常に全力疾走、まさにハイ・ヴォルテー
ジのライヴだからだ。これで2枚組みのヴォリュームがあったら、聴き終えた時にどんなにグタッリとなって
しまうことであろう。
このバンドも私の好きなステイタス・クォー同様、ライヴでスローなナンバーが殆どと言って良いくらい無い。
悪く言ってしまえばこのアルバムのクライマックスは一体何処なんだ?と言われるかもしれないが、逆に
言えば全編これクライマックスの連続とも言える^^;
で、このバンドの私にとっての主人公(?)はリード・ギタリストのアンガス・ヤングで、彼のリフ命のギター・
ワークには徹頭徹尾チャック・ベリーが存在する所が嬉しい。曲もライヴ・アルバムならではのベスト選曲と
なっているのは当然と言えばそれまでだが、たぶん曲が数曲入れ替わってもそんなには違和感が無いと
想像できる。もう一人の主人公、今は亡きボン・スコットも鬼気迫るシャウトで確実にこのバンドに活気を与
えていると言える。
このバンドのこの頃のステージを映像で見る機会があったが、アンガス・ヤングがトレード・マークのランド
セルを背負ってヘッド・バンキングしながらステージ狭しと駆け回る姿とボン・スコットが長い足で大股歩き
でノシノシと歩き回る様が実に印象深かった。
ついでにもう一人印象深かったのがアンガスの兄でサイド・ギタリストのマルコム・ヤングが黙々とリフを
かき鳴らし続ける姿で、ここにも普遍のロック魂たるものがある。アンガスがリード・ギターを引き倒して
いるその後ろで、これでもかとリフを強く刻み続けるマルコムのサイド・ギターにも充分注目して欲しい。
このライヴ・アルバムはビルボードではそれほど上位に食い込まなかったと思ったが、この後に発表した
「Higyway To Hell」(1979)、「Back In Black」(1980)の快進撃を考えれば、その足がかりとなった重要なラ
イヴ・アルバムであったことが良く判る。
80年代に入ってからの彼らはボン・スコットの後任Vo.ブライアン・ジョンソンが加入してモンスター・ライヴ・
バンドとして成功を収めるが、私はやっぱり70年代の成功を収める一歩手前の荒々しさが好きだ。
邦題は「ギター殺人事件」、ジャケット共に実にいかしたタイトルだ。
レコードで言えばA面で軽く肩慣らしをした後、B面で心地よい疲れを感じるライヴだ。
初期からの彼らの代表曲「Whole Lotta Rosie」「Let There Be Rock」は特に必聴ナンバーで、間奏でア
ンガスがダック・ウォークをしながらソロを引きまくる姿が目に浮かぶ。
最近はこの手のライヴ・アルバムがやたらデラックスヴァージョンとかで再発されたりもするが、ことこのラ
イヴ・アルバムに関しては一枚で充分満腹感を味わえるライヴなので、全然その必要性を感じさせない。




2007/8/12UP