BABE RUTH (ベイブ・ルース)


1971年にギタリストのアラン・シャクロックを中心にイギリスで結成される。バンドの名前はもち
ろんアメリカの偉大なる大リーガー、ベイブ・ルースから由来し、私はこのバンドは当時全然
知らなく、かなりの後追いバンドである。当時、ラジオなんかでも聴いた憶えがないので、日本
盤のレコードは発売されてなかったのだろうと思ったら、ちゃんと発売されていたようなので、
かなり驚いた次第であります。日本ではかなり露出度の低いバンドであったらしいが、初期は
無国籍な面白いロックをやっており、ギタリストがバーニー・マースデン(後にホワイト・スネイク
など)に替わってからは、正統派ブリティッシュ・サウンドを生み出していった。
私が所有しているのは以下に紹介する4枚だけなのだが、他に2枚ほどあるらしい。



FIEST BASE
(1972)
ロジャー・ディーンのデザインによるジャケットからは一体どんな音が飛び
出てくるのか想像し難いが、実際のところ、色んなタイプの曲が詰まってる
ファースト・アルバムと言える。冒頭の‘Wells Fargo’(日本でもシングル出
てた!)ではハードなギター・リフに乗って、間奏ではジャズっぽいSAXや
ギター・ソロが聴ける。なんと言っても唯一女性メンバーであるヤニタ・ハ
ーンのハスキーなパンチ力溢れるVo.がこのバンドの大きな魅力である。
トラッドなメロディを取り入れた美しいバラード‘The Runaways’や、プログ
レッシヴなハード・ロックとも言うべきナンバー‘King Kong’、果ては‘For
A Few Dollars More’(「夕陽のガンマン」のテーマ曲)が飛び出したりと、
アルバム全体を通して聴くとちょっと散漫な感じがしないでもないが、この
時代では異色なバンドだったのでは?と思う曲が揃っている。
AMAR CABALLERO
(1974)
こちらはヒプノシスによるジャケット・デザインのセカンド。サウンドにはか
なりの変化がみられ、いきなりストリングスが大胆に取り入れられたナン
バーが続き、一枚目に聴かれたハードなギター・サウンドは鳴りを潜めた
かと思わせる。全体的には落ち着いたトラッドなメロディのナンバーが並
び一曲一曲も短めだ。聴き物は9分以上にも及ぶラスト・ナンバーのタイ
トル曲‘Amar Caballero’で、3曲から構成されるこの曲ではフラメンコの
旋律なども取り入れた風変わりなロックに仕上がっている。
BABE RUTH
(1975)
ともかく冒頭の‘Dancer’(日本でもシングル出てた!)がカッコ良い。う
ねるようなギター・サウンドにのったヤニタのパンチの効いた伸びのある
Vo.が素晴らしいの一言に尽きる。‘Jack O' Lantern’、‘Sad But Rich
などのハード・ロックの醍醐味を味合わせてくれるようなハード・エッジな
ギターを効かせたナンバーがやはり光り、他にはマカロニ・ウェスタンの
代表曲‘A Fistful Of Dollars’(荒野の用心棒)のハード・ロック風演奏
なども存分に楽しめる曲が揃ってる。以上3枚の中では一番気に入ってる
アルバムでアラン・シャクロックのギターもその手腕を存分に発揮し始め
たかと思わせたら、このアルバム発表を最期に脱退してしまった。
STEALIN' HOME
(1975)
このアルバムより、Wild Turkeyというバンドにいたバーニー・マースデン
をギタリストに迎え、前作同様のハード路線を踏襲したようなマースデン
作の‘Winner Takes All’などのナンバーもあるが、何曲かではアメリカン
・マーケットを意識したサウンドが聴かれる。前作まではシャクロックが大
半の曲を書いていた為、良くも悪くも彼のカラーが濃かった訳で、ここに
来て個性が薄れたのは少し残念ではある。しかしながらハーン作の
2000 Sunsets’での今までの彼女とは違った少し物悲しい歌い方や、
Tomorrow’におけるマースデンの泣きのフレーズ満載ギター・ソロなど
聴きどころも多くある。セールス的には散々であったようで遂にはバンド
の看板Vo.ヤニタ・ハーンまでもが脱退してしまうのであった。ついでなが
ら、前作とこのアルバムに‘Thanks to BILL NELSON for inspiration’と
クレジットされてあったことを付け加えておきたい。もちろんビー・バップ・
デラックスのビル・ネルソンである。


Janita Haan(Vo.)