BILL WYMAN (ビル・ワイマン)


ビル・ワイマン、もちろん元ローリング・ストーンズのベーシストとして有名な人物である。在籍していた頃
はその風貌やステージ上で淡々と演奏するその姿から‘Silent Stone’などと呼ばれたことも。彼の数少
ないインタビュー記事を読む限りかなりの女好きであるらしいが、そんな彼もストーンズ在籍時の1974年
に自己主張を始めたのである。それが今回紹介するアルバムだ。私の知る限りでは5〜6枚のアルバムを
発表してると思うのだが、特に素晴らしい出来だと思う最初の2枚を紹介したい。




Monkey Grip

(1974)
これはなんとも楽しいアルバムだ。およそストーンズのロックとはかけ離れたところにあるのだ
が、これはこれで一発で気に入ってしまった。サザン・テイストに溢れたファンキーなカントリー・
ロックとでも言えば良いのだろうか?LPで買った当時も良かったが、今聴いてもファンキーなア
ルバムだ。なんと言ってもダニー・クーチのギターが洒落ている。レオン・ラッセルやローウェル・
ジョージ、Dr.ジョンなんて渋いところが参加していて伊達にストーンズのベーシストじゃなかっ
たのねと思わせる。全9曲、穴の無い佳曲が並びスキなし。この路線で行けばちょっとは売れた
かもネ。少し頼りないビルの歌声も、ご愛嬌程度には受け取れる。
イギリスでアルバム・チャート39位。
Stone Alone

(1976)
こちらも前作同様楽しめる。ジャケットのビルは化粧がケバイぜ、という感じだが、中身のほうは
前作とは少し趣向を変え、オールディーズやファンキーなソウル・ミュージックなどに根付いたロ
ックだね。これまた豪華メンバーを揃え、前出のダニー・クーチらの他、ボブ・ウェルチ、ジョー・ウ
ォルシュ、ニッキー・ホプキンス、ロン・ウッド、ポインター・シスターズらの出来が悪いはずが無
いくらい怱々たる顔ぶれだ。気の合った仲間との演奏がリラックスした雰囲気を伝えてくれる全
12曲。こちらもストーンズ・ファンの隠れたマスト・アイテムと言える。
A Quarter To Three’‘If You Wanna Be Happy’などのカヴァー曲も良いし、ダニー・クーチ作
の‘Feet’におけるビルとポインター・シスターズのバック・コーラスの掛け合いも存分に楽しめ、
No More Foolin'’ではサッチモもどきの喉を披露してくれる。やはり、ただのオッサンじゃない。
これ以後、彼のアルバムは電子音楽に興味がいってしまった様で、私の趣味とは少しかけ離
れてしまったのが残念だった。

Bill Wyman