Brownsville Station (ブラウンズヴィル・ステーション)


「Brownsville Station」(以下BSと略)は如何にもアメリカらしい、何のギミックもない
ロックン・ロール・バンドである。チャック・ベリーをこよなく敬愛し、痛快なブギーでア
ルバム全曲を疾走。そんな感じの曲が多い。アメリカはミシガン州出身のバンドで
モトリー・クルーが「Smokin' In The Boy's Room」をカヴァーしてヒットした事でも良く
知られる。
マイ・ブームとしてここ一年間、彼らのアルバムを通勤時に聴いている毎日で、呆気
羅漢とした痛快なアメリカン・ハード・ロックがご機嫌だ。
彼らのアルバムは全7枚出ているが、私が所有しているのはこの5枚。残りの2枚も
CD化を切に望む毎日だ。


No BS

(1970)
記念すべきデビュー・アルバムは全11曲、30分足らず。全曲にロックン・ロー
ルのエッセンスがギッシリと詰まっている。「Be-Bop Confidential」「Guitar
Train」はチャック・ベリーやジェリー・リー・ルイス、リトル・リチャードら50〜60
年代のロックン・ロールに対するオマージュ的なナンバーで、これでもかとい
う位痛快なギター・リフ満載なR&Rナンバー。そして彼らのもう一つの魅力は
甘いロックン・ロール・バラード・ナンバー。「Blue Eyed Girl」なんて西城秀樹
がまるでワイルド・ワンズをバックに歌っているようだ(笑)。女性バック・コー
ラスが絡むR&Rナンバー「Cadillac Express」も西城秀樹か桑名正博かとい
う位ノリノリなのだ。そのストレートなノリが実に楽しい。6曲がカヴァー曲だが
Hello,Mary Lou」が何といっても秀逸。中心人物カブ・コーダのセンス良い
ギター・リフにはしびれまくりだ。アメリカン・ロック・ファンは是非とも聴くべし。
A Night On
The Town

(1972)
ドラムがヘンリー・ウェックに代り幾分黒っぽいサウンドがチラチラと顔を覗か
せるが、それでも基本はやっぱりロックン・ロール。1曲目の「Rock With The
Music」からヘンリーの重たいドラミングがその存在感を示す。スピーディーな
ブギー・チューン「Mister Robert」ではカブ・コーダのギター・リフとロック教則
本的な(笑)ギター・ソロに注目。BS得意の青春ラブ・ソングはここでも健在で
Mad For Me」でのマイケル・ラッツのハスキーな声とハンド・クラッピングが
何とも素敵。カントリー・フレイバー溢れる「I Got Time」ではマイケルとカブの
軽妙なハモリが聴けるし、ラスト・ナンバーの「The Man Who Wanted More
のみライヴとなっており、こういう熱いライヴを聴くと全編ライヴ・アルバムと
いうのも聴きたくなってくると言うのが人情というヤツだ。
ジャケットが何とも微笑ましい感じで好きです。
Yeah!

(1973)
それまでのロックン・ロール一直線なアルバムから多少ブルージーな部分も
増えた感じの3rdアルバム。彼ら最大のヒット曲「Smokin' In The Boy's Room
」収録。85年にモトリー・クルーがリバイバル・ヒットさせたあのナンバーだ。
オリジナルはこれと「All Night Long」の2曲のみであとの8曲がカヴァー曲。
オリジナルの2曲はBSらしいブギー・ナンバーとなっている。ジミー・クリフ、
ルー・リードらのナンバーを軽く料理してしまう所が彼ららしいと言えばそれま
でだが、特に斬新さは感じられない。しかし、「Go Out And Get Her」でのル
ーズなノリや「Barefootin'」における豪快なギター・ワークで聴く者をグイグイ
と引き込むカブ・コーダと益々冴えを見せるマイケル・ラッツの進化する喉は
流石、と言いたい。
School Punks

(1974)
原点回帰を狙った飾り気の無いロックン・ロール・アルバム。多少泥臭さを感
じさせつつも、本質はピュアで楽しさ一杯なロックン・ロール集なのだ。スリー
・ピースでしか成し得ないサウンドがここにはある。オープニングの「Kings Of
The Party」からして我らがBSのテーマ曲然としたナンバーで最強トリオの演
奏が繰り広げられる。押しては引き、引いては押しまくるBSサウンドに思わず
のめり込む。「Fast Phyllia」「Ostrich」でのカントリー・フレイバーなタッチにニ
ヤリとしアメリカン・ロックの真髄を垣間見ると同時に「I Got It Bad For You
での呆気羅漢としたR&Rを粋に感じてしまう。「I've Got Love If You Want It/
I'm A King Bee」、ラスト・ナンバーの「I'm The Leader Of The Gang」のカヴァ
ー・ナンバーでさえ彼らのオリジナルであるかのような演奏振りには思わず
拍手喝采なのだ。
Motor City
Connection

(1975)
全ての曲に於いてハードな、そしてタイトな演奏が繰り広げられる5枚目。そ
れまでは聴かれなかった「One That Got Away」のようなへヴィなナンバーが
新境地を開く。ロックン・ロールとハードなブルースが交錯する中、BS初とも
言うべき大バラード・ナンバー「You Know Better」が感動的だ。次のアルバ
ムから正式に参加することとなるブルース・ナザリアンのギター・ソロが何と
も素晴らしいの一言に尽きる。そして何と言ってもここでの最大の聴き物が9
分にも及ぶラスト・ナンバーの「They Call Me Rock 'N' Roll」だろう。5曲の組
曲で構成されたナンバーで、ここまでの彼らの軌跡の集大成的なナンバーと
言っても過言ではあるまい。前編骨太なサウンドが聴き終えたあとに心地良
い疲労感を覚える。某ネット・チャンネルで彼らのライヴを観ることが出来て
大変感動したが、このアルバム収録中の曲なんかも是非とも観て見たいも
のが多いと感じた。



( 2006/04/22 UP)

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