COVER ALBUMS
今回の企画は、70年代のロックを全曲カヴァーしているアルバムを集めてみました。
まだ一杯あるのだろうが、取り敢えず私のコレクションの中からご紹介しましょう。

★DAVID BOWIE〜このアルバムは有名ですね。
☆JOAN JETT〜この他にもう一枚‘FLASHBACK’というカヴァー・アルバムがありますが
今回はこちらを。
★ANDY TAYLOR〜ご存知、元DURAN DURANのギタリストです。
☆UNDER COVER〜オランダのハード・ロック・バンド‘VANDENBERG’の元メンバーが
結成し、デビュー・アルバムがこの全曲カヴァーという変り種のバンド。
★STATUS QUO〜云うまでも無く、今やイギリス王室御用達バンドです。QUOの項、参照。

いずれも敬愛するミュージシャン達の曲を取り上げており、単なる企画モノに終わっておらず、
彼らのルーツ・ミュージックを知る上においても、また、彼らの新しい一面を覗ける点においても
そしてもしそれが知らないアーティストの曲だったら、そこから新たなアーティストとの出会いが
始まると考えれば、とても貴重なアルバムばかりである。


PIN UPS
(1973)

DAVID BOWIE
正確に言えばこのアルバムは60年代に活躍したバンドのカヴァー曲を中心に構成されている。バ
ック・バンドはミック・ロンソンがいたスパイダース・フロム・マースだ。ミック・ロンソンの歪んだトーン
のギターが実に良く、特に気に入ったナンバーはピンク・フロイドの‘See Emily Play’、ヤードバー
ズの‘Shapes Of Things’、ザ・フーの‘Anyway,Anyhow,Anywhere’、キンクスの‘Where Ha
ve All The Good Times Gone’などである。また、日本盤にのみボーナストラックがついていて、
その中の一曲‘Growin' Up’(ブルース・スプリングスティーン)でどうも聞き覚えのあるギターがす
るので、クレジットをよく見ると、‘Ron Wood’の名前がありました。ちょうどFACESの頃でしょう
か、まるでFACES時代そのまんま(当たり前か)のギター・トーンでとてもカッコ良くて、オリジナル
以上に好感が持てました。
THE HIT LIST
(1990)

JOAN JETT
ご存知、元‘THE RUNAWAYS’のギタリスト。今やアメリカを代表する女性ロッカーと言える彼女
のルーツとなった色々なアーティストの曲をカヴァーしてます。どれも良い出来なのですが、私が個
人的にも思い入れが強いナザレスの‘Love Hurts’、キンクスの‘Celluloid Heroes’、ローリング
・ストーンズの‘Let It Bleed’などをカヴァーしている所に好感を持ちました。また、セックス・ピスト
ルズの‘Pretty Vacant’やZ・Z・トップの‘Tush’などのナンバーでの堂々とした歌いっぷリを聴い
てると思わず『ヨッ、姉御!』と声を掛けたくなるほど素晴らしいものがあります。この人のシャウトし
た時のちょっとハスキーがかった声は本当、ドスが効いていて縮こまっちゃいますね。(ナニが?)
DANGEROUS
(1990)

ANDY TAYLOR
DURAN DURAN脱退後の87年に発表した初ソロ・アルバム‘THUNDER’に続く2枚目のアル
バムです。一枚目がDURAN DURANの時からは想像も出来ない程のハード・サウンドだったの
で、2枚目もかなり期待してましたが、期待以上のモノでした。フル・カヴァー・アルバムにも係らず
彼の個性はちゃんと出てますし、なにせカヴァーしているアーティストがモロ私の趣味で、シン・リジ
ー、ロッド・ステュアート、バッド・カンパニー、キンクス、モントローズ、ストーンズ、モット・ザ・フープ
ル、AC/DC等とくれば出来が悪いはずがありません。オリジナルの良さをそのままにして、彼特
有のハード・エッジなギターで聴く者をグイグイと引っ張りこみます。前と比べると風貌も精悍な顔
つきになって、まさにブリティッシュ・ロッカーここにありと言う感じですね。
UNDERCOVER
(1990)

UNDERCOVER
こちらも70年代のロックの王道と言った曲ばかりをカヴァーしています。フリーの‘ALL RIGHT
NOW’、BTOの‘YOU AIN'T SEEN NOTHING YET’、フェイセスの‘STAY WITH ME’、スモール・フ
ェイセスの‘TIN SOLDIER’、レッド・ツェッペリンの‘ROCK AND ROLL’などで、原曲が良いだけに
ここでのカヴァーも幾分ハード目のアレンジが為されている他は、結構オリジナルに近くて楽しめま
す。アンディー・テイラーのアルバムもそうであったように、こちらもバラード・タイプのカヴァーは一切
無く、全曲ひたすらエネルギッシュな曲で占められています。もっといろんなバンドがカヴァー・アル
バムを発表すれば面白いんじゃないのかな、なんて思うのですが、レコード会社のほうで売れない
企画ということでSTOPされてしまうのでしょうか?
DON'T STOP
(1996)

STATUS QUO
今まで何曲か他人の曲をカヴァーしてきたQUOだが、ここでは初のフル・カヴァー・アルバムに挑
戦している。どれもQUO節漂う出来で、ファンにはまた違った意味で楽しめる一枚だ。‘FUN,FUN,
FUN’ではビーチ・ボーイズ(もちろん彼らがオリジナル)が素晴らしいコーラスを、‘RAINING IN MY
HEART’ではブライアン・メイが彼独特の繊細なギター・トーンでソロを、それぞれ聴かせてくれて参
加している。他にはビートルズの‘GET BACK’、フリートウッド・マックの‘DON'T STOP’、CCRの
PROUD MARY’、ボブ・シーガーの‘GET OUT OF DENVER’などのナンバーが彼ら一流のブギー
のノリを加味して聴き応え充分のクォー・ヴァージョンとして蘇えっている。いずれの曲も200曲近
い候補の中から厳選された、そして彼らのルーツ・ミュージックや彼らと同じ時代を生き抜いたバン
ドのカヴァー曲などであるので、実に楽しそうに演っている姿が目に浮ぶようなアルバムである。


JOAN JETT姉御!

(2000/12/31UP)