PRODUCER特集 ( No.9 〜 TOM DOWD)
70年代初めより‘Allman Brothers Band’‘Lynyrd Skynyrd’などアメリカ南部のバンド
を初め、‘Eric Clapton’‘Rod Stewart’らイギリスからアメリカに渡ったアーティスト達の
アルバムをプロデュースし、彼らの代表的なアルバムを作ったことで有名だ。
そのサウンド作りは肩の凝らないサウンドとも言うべきか、‘レイド・バック’の由縁たるサウンド
とも言える。
そんな彼のプロデュース作品を5枚紹介しよう。



Layla
(1970)

Derek & The Dominos
ClaptonのSouthern Rock アルバムとも言える作品。Duane Allmanがほぼ全面的
に参加しており、Organ・Vo.のBobby Whitlock共々このアルバム作りに大きく
貢献している。曲調は明るいものが多くて、以前の作品とは明らかに傾向が違うなと
判る。Vo.も枯れた感じで味わい深いし、ギターも余分な力が入ってなく、聞き手を
ホッとさせてくれる。まさにレイド・バックです。タイトル曲は言うまでも無く全曲が素晴ら
しいのですが、ジミヘンの‘Little Wing’もオリジナルを上回る出来映えとなっている。
Eat A
Peach
(1971)
Allman Brothers Band
そんなDuane Allmanが事故で他界した直後に発表されたアルバム。クラプトンが
憧れた世界がここに有る。自然体の演奏と言うか、実にリラックスした雰囲気だ。
Blue Sky’での伸びやかなスライド・ギターが心地良い。また、Duane亡きあとの
Melissa’でのGregg Allmanの心迫る歌い方・Dickey Bettsの物悲しいスライド・
ギターの音色(メロディー)は名曲と言うに相応しい。‘BROTHES AND SISTERS’
とはまた違った意味で名盤と言って良いと思う。
461 Ocean Boulevard
(1974)

Eric Clapton
このアルバム以後2作品がTom Dowdのプロデュースによる。このアルバムで‘レイド・
バック’なる言葉が流行る。クリームの頃のしゃかりきにギターをかき鳴した面影は微塵
も無く、歌い方も含めて人の良さそうなオジサンに変身したのである。ヒットした‘I Shot
The Sheriff’を初め、随所にレゲエのリズムを取り入れ、また女性Vo.(Yvonne
Elliman)を大胆に起用してファンをビックリさせた。Allmanとの競演以後、ここでも
スライド・ギターの演奏が随所に見られる。‘Steady Rollin’Man’‘Mainline
Florida’などのナンバーにアメリカン志向のサウンドが見れる。
One More From
The Road
(1977)

Lynyrd Skynyrd
前作のスタジオ・アルバム‘GIMME BACK MY BULLETS’共々Dowdによるプロ
デュース作。やはり彼らの迫力ある演奏はライヴが一番だ。このアルバム発表と同時期
に初来日を果たす。代表曲である‘Sweet Home Alabama’や‘Free Bird’のダイ
ナミックな演奏ももちろん良いのだが、‘Tuesday Gone’のような叙情的なナンバー
での演奏もグッとくるものが有る。また。個人的には‘Gimme Three Steps’での南部
特有の明るいロックンロール・ナンバーが好きです。ホンキー・トンク調のピアノのリズム
に乗ったギター・サウンドは聴いてて思わずウキウキしちゃいます。やはり名盤!
Foot Loose &
Fancy Free
(1977)

Rod Stewart
大西洋を渡ったロッドの‘ATTLANTIC CROSSING’から3枚続けてのDowdによる
プロデュース作。ここではバック・メンバーを一新して多少British寄りのサウンドに戻っ
た感じ。のっけから‘Hot Legs’でホットなロックン・ロールをぶちかましてくれる。リズム
隊の要はDs.のCarmine Appiceだ。タイトなドラムのリズムに乗ったロックン・ロール
Born Loose’は圧巻、Billy Peekのチャック・ベリー張りのギターにはゾクゾクっと
きちゃって、後半のルーズなノリはFacesのノリを思わず連想させます。シングル・ヒット
の‘You’re In My Heart’他バラード・ナンバーも相変わらずの上手さがあるが、ここ
でのもう一つの聴き物は‘You Keep Me Hangin’On’だ。British Rock ここに有り
というタイトな演奏がロッドの熱唱と共に光っている。