ELF (エルフ)


エルフっていうバンドの存在は当時は全く知らなかった。私がその名前を最初に聞いたのはディープ・パープル
のリッチー・ブラックモアがレインボーを結成した時に、何やら「エルフ」とかいうバンドのメンバーと共に名前を
変えて新バンドを結成したという記事を目にした時であったと思う。その時以来エルフっていうバンド名は殆ど
私の脳裏から消え去っていたのだが、最近になって偶然このバンドのCDを入手したので聴いたのだが、これ
はもう完全にハマってしまった。Vo.は後にレインボーのヴォーカリストとして日本でも広く知られるようになった
ロニー・ジェイムス・ディオ。そしてプロデューサーはディープ・パープルのベーシストのロジャー・グローヴァーで
ある。ストレート一直線なサウンドは聴いていて実に気持ちの良いものだ。
彼らの残した3枚のアルバムを紹介しよう。



Elf

(1972)
このファースト・アルバムはロジャー・グローヴァーとイアン・ペイスのプロデュース作。ロニー・
ジェイムス・ディオはまだ本名であるロナルド・パダヴォーナとクレジットされている。ともかく1曲
目の‘Hoochie Koochie Lady’のカッコ良さにシビレてしまった。デヴィッド・フェインスタインのブ
ギーなギターに絡んでくるミッキー・リー・ソウルの徹底したホンキー・トンク調のリズミカルなピ
アノが気持ちが良い。ロニーのヴォーカルはレインボー時代の下地がすでに出来上がっている
ような声で、この頃からすでにパンチ力はある。他には‘Sit Down Honey’や‘Love Me Like A
Woman’と言ったブギーを基本としたストレート一直線なロックン・ロールが主体となっているが
、どの曲もピアノが良いアクセントとなっている所がミソ。普通のハード・ロックと言ってしまえば
それまでだが、ちょっとサザン・テイストが感じられるのは、このピアノがかなり貢献している所
が大きい。バラードから、これまたホンキー・タイプの楽しいブギーに変調する‘Dixie Lee
Junction’など全8曲、濃い、実に濃いハードなロックン・ロールが満喫できるご機嫌なアルバム
なのだ。
Carolina County Ball

(1974)
ファースト・アルバムではロニーがベースもプレイしていたが、ここではベース・プレイヤーが
新たに加入しており、またギタリストもスティーヴ・エドワーズという人に替わっている。基本的
にはミッキー・リー・ソウルのホンキー・トンク調なピアノ・サウンドが相変わらずだが、そこに
女性バック・コーラスが絡んできて、ロニーもVo.に専念できるせいか、前アルバムと比べると
全体的に伸び伸びと歌っているような感じだ。‘Carolina County Ball’‘L.A. 59’‘Annie New
Orleans’‘Do The Same Thing’などどれもスワンピーでサザン・フレイヴァー漂うハードロック
がまさにキッチュなサウンドで聴いていて楽しい。一枚目と比べるとかなりサザン・ロック・テイ
ストが感じられ、‘Ain'tIt All Amusing’のイントロなんてまるでオールマン・ブラザーズ・バンド
のハード・ロック版みたいだ(笑)。一枚目では聴かれなかった‘Rainbow’みたいなポップス・
フィーリング溢れる魅力的な作品だ。但し、軽くなりきれない所がこのバンドの宿命か。
Trying To The Sun

(1975)
内容的にはセカンドを踏襲したようなアルバムで、全体的にはやはりサザン風味のバック・コ
ーラスを使ったナンバーが多く‘Prentice Wood’のギター・ソロなんてまるでディッキー・ベッツ
(オールマン・ブラザーズ・バンド)だ。それでもちょっと静か目の曲が多くなった印象は強く、い
まいちピントが絞られていないのかという感じがする。ちょうどこの頃リッチー・ブラックモアは
ロニー・ジェームス・ディオと接触していて、ロニーの心は早くもレインボーに行っていたのかも
しれない。元気が良いのはアルバム冒頭の‘Black Swampy Water’と‘Liberty Road’2曲くら
いか。後のナンバーはメロディアスなバラード、妙にポップなナンバーが揃う。1枚目で聴かれ
たようなブギーふうなハード・ギターはすっかりと鳴りを潜めてしまい、オーケストレーションが
変に使われていたりしてちょっと?というところがあったりする。
好き嫌いはあるかもしれないが、私個人としては一枚目のハードなブギー丸出しなサウンドが
好みだ。
尚、私が所有している彼らの2ndと3rdのCDは2in1で所有しているもの。




2003/05/04UP