Rob Fraboni (ロブ・フラボニ)

初めてロブ・フラボニの名前を意識したアルバムはブロンディ・チャップリンのアルバムでした。チャップリンの
アルバムを買った経緯はビーチ・ボーイズの73年の「The Beach Boys In Concert」でのリズム・セクションで
のリッキー・ファッターと共にこのチャップリンのファンキーな演奏に思わず引き寄せられたからでした。このア
ルバムを聴いて以来ブロンディ・チャップリンの名前は私の脳に深く刻み込まれたのでした。そのチャップリン
の唯一のソロ・アルバムをプロデュースしたロブ・フラボニの名前もまた、この素晴らしいノリの良いアルバム
と共に私には一風変わった名前と言うこともあってか、忘れられない存在となりました。
それまで意識しなかったのですが、調べてみたら私は以前にも何回もこのフラボニのプロデュースしたアルバ
ムを聴いていたことが判りました。今回、フラボニを紹介するに当たって下の5枚のアルバムを通して聴いて
判ったことは、どれもが泥臭いサウンドであるのが共通項でした。決して派手さはありませんが、どれもがいぶ
し銀のような渋さを持ったアルバムです。
以下にその5枚を紹介しましょう。



Planet Waves
(1974)

Bob Dylan
ボブ・ディランは当時殆どと言って良いくらい聴きませんでしたが、2000年に入った頃からザ・
バンドを本格的に聴き始めて以来、聴くようになりました。とは言っても、ディランのアルバムで
所有しているものは全てザ・バンド絡みのものばかりですが。67年に一緒にセッションしたア
ルバム「The Basement Tapes」が後に発表されましたが、ザ・バンドとはその頃からの付き合
いで、このアルバムでもその間の歳月を感じさせない意気のあったプレイが聴かれます。
ザ・バンドの中でも一番好きなのがロビー・ロバートソンの枯れた味のギターの音色にあるの
ですが、このアルバムでも「Going、Going、Gone」「Hazel」と言ったナンバーあたりではその音
色が遺憾なく発揮されています。
全体的に渋いトーンのナンバーが多い中「Tough Mama」や「You Angel You」のリズミカルで
明るいカラーが好きです。それでもディランの歌声が被さるとどうしても「渋さ」が出てしまうの
は、この人のまた持ち味でもあるのですね^^; この曲などでもロバートソンのギター・ソロが聴
きものと言えるでしょう。
ディラン初の全米No.1アルバムとなる。
No Reason To Cry
(1976)

Eric Clapton
このアルバムには上述のボブ・ディランやザ・バンドの面々を初めとして豪華なゲストが参加し
ている事が当時かなり話題になったが、これより80年代以降に続く更に幅広い音楽性を求め
た最初のアルバムだと考えるとそれなりに意義深いアルバムだと思う。それまでのギタリスト
としてのエリック・クラプトンの印象度は低いが、アルバムを通して聴き終わった時ある種の安
堵感みたいなものを感じる。ザ・バンドとの競演ナンバー「All Our Past Times」での泥臭い演
奏やヴォーカル・スタイル、「Hello Old Friend」における良い意味での力の抜けた伸びやかな
演奏が印象的で、その他では、私の好きな女性ヴォーカリストのマーシー・レヴィのVo.をフィー
チャーした「Innocent Times」「Hungry」もそれまでのクラプトンのナンバーの中では異色と言
えなくも無いですが、どちらも泥臭さを意図したギターのトーンがこのアルバムの中に上手く溶
け込んでいるように感じました。
CDではボーナス・トラックが追加されていますが、「Black Summer Rain」がオリジナル・アル
バムのラストを飾るナンバーで、美しいメロディ・ラインにのったクラプトンの気負いの無いVo.が
以後、新しいスタイルを作る第一歩となったと感じた。
ビルボード誌最高位15位。
Rick Danko
(1977)

Rick Danko
ザ・バンド解散後の初ソロ・アルバムで、ギターでロン・ウッド、ブロンディ・チャップリン、エリッ
ク・クラプトン、ロビー・ロバートソンらが名を連ねる。どの曲もこれぞリック・ダンコと言うに相応
しい出来栄えで、各参加ギタリストともに個性的なギター・ソロを聴かせてくれるが、そのどれ
もが曲の個性を際立たせる名演奏と言えるところは流石。しかもそのギター・トーンも統一した
かのような実に渋く奥深い演奏なのだ。曲によってはザ・バンドを彷彿とさせるようなものが多
く、「Sweet Romance」あたりは後期バンドの「南十字星」「アイランド」と言ったアルバムに収
録されていてもおかしくないように感じた。全10曲中1曲を除いて4分以内のナンバーと言うと
ころがこれまた聴いていて疲れなくって良いですね。
ビルボード誌最高位119位。
Blondie Chaplin
(1977)

Blondie Chaplin
このジャケット、好きですねぇ。壁にスプレーで書かれたシンプルな「Rock+Roll」の文字がこの
アルバムを良く表現しているような気がします。で、内容はと言えば、一言で言えばファンキー
でグルーヴィーなナンバー揃いの名盤と言えます。決して上手いとは言いがたい彼のVO.も実
に愛らしく聴こえるところが良いですね。人柄の成せる業でしょうか、これは。古くからの盟友
リッキー・ファッターとの最強リズム・セクションがここでも堪能できます。疾走感タップリのR&R
ナンバー「Be My Love」「Gimme More Rock N' Roll」やファンキーなノリが最高な「Bye Bye
Baby」「Can You Hear Me」「For You Love」、ソウルフルでエモーショナルな「Woman Don't
Cry」「Lonely Traveler」など多彩なナンバー揃いで、全編泥臭いファンキーなサウンドが聴い
ていて疲れない、実に心地よいアルバムだ。
Bump In The Night
(1980)

Ian McLagan
マックの1stアルバムに参加のジョニー・リー・シェル(g)を中心にリッキー・ファッター(ds)、レ
イ・オハラ(b)を加えたバンプ・バンドとしての2枚目のアルバム。マックの義兄弟とも言うべき
存在のロン・ウッドも1曲だけ冒頭の「Little Girl」で参加、粋の良いR&Rギターを披露してくれ
ている。1作目同様、ジャスト・ロックン・ロールなアルバムなところが嬉しい。全10曲タイトなリ
ズムに乗ったファンキーでグルーヴなロックン・ロール集。3分ちょっとのロックン・ロールが楽し
い「Told A Tale On You」「Judy Judy Judy」などが、やっぱりこの人の持ち味と言えそうでキャ
ッチーな甘酸っぱいメロディが妙に60〜70'っぽくて良い。
尚、このCDを彼のサイトから買ったら私の名前入りでサインが入っていた。彼のマメな人柄が
伺える。



2004/12/31Up