Peter Frampton (ピーター・フランプトン)


ピーター・フランプトンは故スティーヴ・マリオットと共にハンブル・パイを結成したオリジナル・
メンバーだった事はあまりにも有名だが、彼の名前をロック界で一躍有名にしたのは1976年
発表のライブ・アルバム「Frampton Comes Alive!」であったろう。かく言う私もその時に初
めて彼のキャリアに注目した一人だ。この2枚組みライブ・アルバムは当時1200万枚のセー
ルスを記録し、トリプル・プラチナ・ディスクを記録。それまでキャロル・キングの「つづれおり」
が5年かかった記録をあっさりと8ヶ月で更新した。シングル「Show Me The Way」も発売2週
目でトップになり、何度も1位を記録。この年だけの印税とコンサート・ギャラだけでなんと150
億という途方もない金額を得たという。この当時では信じがたいメガ・セールス・アルバムだ
ったのだ。
80年代に入ってからはその人気にも翳りが見え始め一時期活動をストップしていたが、90年
中頃より活動を再開し、近年非常に評判の良いアルバムを発表し続けている。そんな彼の
普遍なロック魂に畏敬の念を抱きながら、ここでは70年代のスタジオ・アルバムにスポットを
当てて紹介したい。


Wind Of Change

(1972)
スティーヴ・マリオットと音楽性の食い違いからパイを脱退したピーターがソロに
なってやろうとした事は、たぶん自然体で演奏しようと言うことだったのでは?
と、このアルバムを聴いて先ず感じた事だ。アコースティック・ギターの音色と
共にピーターの何とも言えない甘いVo.がアルバム中に散りばめられている。
今にして思えば何とも豪華な参加メンバーの顔ぶれなこと。リンゴ・スター、ア
ンディ・ボウン(States Quo)、リック・ウィルス(元Foreigner)、ミック・ジョーンズ
(元Foreigner)、ビリー・プレストン等。これも彼の人柄か。取り分けアンディは
パイに参加する以前、ピーターと共にいた「HERD」からの盟友だ。演奏はもち
ろん、どの曲も申し分ない。ストーンズの「Jumpin' Jack Flash」をカヴァー。他
に「It's A Plain Shame」「Arlight」でロッカーとしての資質を垣間見せるが、こ
のアルバムの本質は冒頭からのアコギ・ナンバー3連発だろうなぁ、やっぱり。
全米177位。
Frampton's Camel

(1973)
前作からのメンバーではベースのリック・ウィルスが残り、バンドという形式でア
ルバムを発表したが、サウンド的にはあまり変化は見られない。他のメンバー
の経歴が良く判らないが、皆ピーターと同じ20代前半のようだ。メロディラインに
センスの良さが光る「All Night Long」やアコースティック・ギターサウンドから一
辺、うねる様な盛り上がりを見せる「Which Way The Wind Blows」などリスナー
を引き込むナンバーが良い出来だ。また、この頃から彼独特のギター・トーンが
出てきたようだ。ハード・タッチなロックンロール「White Sugar」が個人的には好
みなタイプのナンバーだが「Comes Alive!」の25th-Anniversary Editionでは
この曲も収録されているので、要チェックだ。しかし、こういうパターンは良くある
ものだ。4曲収録曲が多く、リマスターという点と曲順の違いと言う所で好きな人
は2枚持っていても良いのかも(笑)。でも、まだ持ってないぞ、という人が居るな
ら是非とも「買い」だろう。ライヴでもハイライトの一つだった「Do You Feel Like
We Do」はここでも存在感充分な演奏が素晴らしい。ライヴでもさほどアレンジ
を変えずにいた事が良く判る。こちらは全米110位。
Somethin's Happening

(1974)
前2作と大きく違う点はアコースティック色が少なくなり、ロック色がより濃く出て
いる所だ。全曲溌剌としたプレイ、ヴォーカルが聴ける。それは冒頭の「Doobie
Wah」からも明らかだ。何でもドゥービー・ブラザーズのステージを見て感激して
出来た曲とか。確かにあの曲とソックリ感がある。以後、息をも付かせぬ怒涛の
アップテンポなナンバーが続き、ピーターがノッている感じがする。まさにライヴ
な感じが伝わってくるのだ。そしてレコードで言うところのB面幕開けは「Comes
Alive!」でのオープニング・ナンバー「Baby(Somethin's Happening)」。ライヴな
ノリが伝わってきて、ライヴでのオープニングに実にピッタリのナンバーだと言う
ことを改めて認識させられた。ゲスト・プレーヤー、ニッキー・ホプキンスのピア
ノのイントロが光る。尚、ベースのリック・ウィルス以外はまたもメンバーが入れ
替わっている。
ジャケット・デザインはピプノシスで、以後アルバム・ジャケットには本人が必ず
写り続けている。全米125位。
Frampton

(1975)
そしてこれが「Comes Alive!」の大ヒットの伏線となるアルバムだ。ジャケット
でピーターが着ているTシャツに故スティーヴ・マリオットの顔が見える所が何
とも言えない。録音はどこかのお城でされたとの事。前作同様、とても溌剌とし
たナンバーが目白押しで、私がピーター・フランプトンと出会ったのもこのアル
バムであったので、一番身近に感じる存在なのだ。
オープニング・ナンバー「Day's Dawning」からポップなノリ全開で、続く「Comes
Alive!」からの1stシングルとなる「Show Me The Way」でも当時まだ聴きなれ
ないトーキング・ボックスを使ってのギター・ソロが新鮮だった。バック・メンバー
は1stアルバム以来の参加となるアンディ・ボウン(Status Quo)を含めて3人と
最少人数だが、そんな事を全然感じさせないピーターのやる気を感じるアルバ
ムなのだ。ブリティッシュ臭さが前作からは薄くなり、その分アメリカでも受け入
れられるような幅広いサウンド、音楽性が印象的である。「Nowhere's Too Far
Apple Of Your Eye」等で聴かれる力強いサウンドとそれと対比をなすピーター
の甘いVo.が、この時代上手くマッチしたのかも。 彼のプレイもメロディ・センス
とその繊細なタッチは抜群で、もっとギタリストとしても注目されて良いと思う。
地道な全米各地でのライヴ活動もあってチャートは32位まで昇る。
I'm In You

(1977)
そしてこれがスーパー・メガヒット・アルバム「Cimes Alive!」に続くアルバムで
1曲目のタイトル曲「I'm In You」で決まり!という感じだ。自信に満ち溢れたプレ
イが随所に見られ、全9曲そのどれもがメロディ・ラインが光り、聴き終えた後も
余韻が残るアルバムと言える。取り分け「Heart On The Line」「Tried To Love
などの後のAORサウンドにも通じるポピュラーのロック・ナンバーが印象的だ。
特に「Tried To Love」ではクレジットされていないがミック・ジャガーのバック・コ
ーラスも耳に残る。また、リトル・フィートに感化されて出来上がったというナン
バー「Won't You Be My Friend」での8分にも及ぶファンキーな演奏もダレる事
無く存分に聴き応えがある。他には「Roadrunner」やスティーヴィー・ワンダーの
Singned,Sealed Deliverd」をカヴァー。ゲストでもリトル・フィートのリッチー・ヘ
イワード、スティーヴィー・ワンダー等が参加。実にリラックスした、リスナーを癒
してくれるアルバムだ。
アルバムは余裕の全米2位、シングルも「I'm In You」(2位)、「Singned,Sealed
Deliverd」(18位)、「Tried To Love」(41位)のヒットとなる。
以後、アルバムを1979年「Where I Should Be」(19位)、1981年「Breaking All
the Rules」(43位)と発表するもその人気に翳りが見え始めたのであった。




( 2007/11/18 UP)