Hustler (ハスラー)


ハスラーはイギリスのバンドで、1974年にデビュー・アルバムを発表すると共にレディング・フェスティバルに
出演して、その存在感を示した5人組のブリティッシュ・ロック・バンドだ。
1970年代半ばはブリティッシュ・ロック界の混迷期であり、各地で我こそはと多種多様なバンドが名乗りを挙
げた時代でもあったが、このハスラーもそんなバンドの中の一つであった。
彼らに興味ある人は、かなりのブリティッシュ・ロック・ファン通(つう)だと思うが、最近はチラホラとロック関
係のムック本等でも紹介されるようになってきた。
彼らが残した2枚のアルバムを紹介しよう。


High Street

(1974)
上述の通りレディング・フェスティバルに出演したハスラーだったが、どれくらいの評価が
あったのかは知る由も無い(笑)。それはさて置き、特筆したいのはこのデビュー・アルバ
ムをプロデュースしたのがヴィネガー・ジョーのギタリスト、ピート・ゲイジである事だ。
どういう関係だったのかは定かでは無いが、少なくともヴィネガー・ジョーとはまるっきりタ
イプが違うだろう。多少ブルース臭さは残るものの、どっしりとハード・ロックに土壌を築い
たサウンドがこのハスラーにはある。
全編、ギターとキーボードを主体とした力強いサウンドで迫り、演奏もさる事ながら曲自体
の展開も中々ツボを押さえている。Vo.も多少ハスキーな感じでこの手のハード・ロックに
は打って付けの声質だ。曲によっては、他のバンドを連想させるような感じのもあったりは
するのだが、この時代、デビューした多くのバンドが同様であったかも知れない。それでも
スピード感にはこのバンド独自のものを感じさせるものがある。
ジャケットのセンスは首を傾げざるを得まい。
Play Loud

(1975)
プロデューサーにクイーンを手がけたロイ・トーマス・ベイカーを向かえての勝負の2枚目
にしてラスト作。ジャケットのセンスは相変わらずだが、中身のサウンドは前作を遥かに
上回り、ロックン・ロールやブギーを中心とした骨太でタイトなサウンドに仕上がった。
Money Maker」や「Break Of Day」などいかにもライヴ受けしそうなブギ・ナンバーや
Who D'Yer Think Yer Foolin'」での途中から突然「天国と地獄」のサビのメロディが飛び
出すあたり、ブリティッシュ特有のセンス・オブ・ユーモアを感じる。
全体的に平均以上の点は取っているのだが、他のバンドよりここがずば抜けて優れてい
るという所が無いのが辛い。曲をもう一捻りするともう少しドラマティックな展開が出来そ
うなバンドだっただけに惜しい気はする。ルックス的にもブリティッシュ・ロック然としてい
るのだが、必ずしも時代とマッチしていなかったような気もする。




( 2011/05/08 UP)

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