Jo Jo Gunne (ジョ・ジョ・ガン)


チャック・ベリーのナンバーを名に冠したこのバンドはジャクソン・ブラウン、イーグルス等でも有名な
アサイラム・レーベルよりデビューした。前身はスピリットというバンドでメンバーのジェイ・ファーガソ
ン(Vo&Key)、マーク・アンデス(b)にマシュー・アンデス(g)、カーリー・スミス(ds)が加わり1971年
にロス・アンジェルスで結成された。
当時のロック雑誌では何回かその名は目にした事があるバンドではあったが、肝心のサウンドはと
言うと私は一回もラジオでは耳にした憶えは無かった。ここ何年かで彼らのオリジナル・アルバムが
全てCD化され、それに伴ってオリジナル・メンバーで何と31年振りに再結成、アルバムを発表した。
そんな彼らの70年代に残した4枚のオリジナル・アルバムをここに紹介したい。


Jo Jo Gunne

(1972)
全米27位まで駆け上る「Run Run Run」で幕を開け、強烈なブギーのリズムと
マシュー・アンデスのスライド・ギターが光る。全9曲ジェイ・ファーガソン及びマ
シュー・アンデスによるオリジナル・ナンバーで勢いを感じさせるデビュー作だ。
後にソロ・アルバムにも収録された「Babylon」に代表されるファーガソンのその
類稀なメロディ・メーカーとしてのポップ・センスの一端を垣間見る事ができる。
幾分ハードなナンバーもあるが、このバンドの持ち味を一言でいうと小気味良
いドライブの掛かったブギー・ナンバーにあると思う。「ロール・オーバー・ベー
トーベン!」の掛け声も飛び出す「Barstow Blue Eyes」や「99 Days」と言った
リズミカルでブギーなギター・リフとピアノ、それと軽めのバック・コーラス(笑)
が基本路線だ。ラスト・ナンバーの「Flying Home」はこういったアルバムでの
お約束のしっとりとしたナンバーだが、後に開花するファーガソンのエモーショ
ナルなヴォーカルがセンスの良さを感じさせます。
ちなみにこのアルバムはセルフ・プロデュースによるものだが、「with help &
remix by Tom Dowd」とある。う〜ん、奥深いものがあります。全米57位。
Bite Down Hard

(1973)
こちらは全米75位と前アルバムより振るわなかったが、かと言って質が低いの
かと言うと、決してそんなことは無い。むしろ私はパワーアップを充分感じまし
た。ベーシストがジミー・ランドールに変わったが音楽志向に変化は見られな
く、迷いの無いロックン・ロール魂は不変だ。
前作同様全9曲オリジナル・ナンバーで固め、シングル・ヒットこそ無かったが
アルバムの出来映えは上出来だ。一番大きく変わった点と言えば、ビル・シム
ジクがプロデュースした点だ。ハードな面とクールな面を上手くミックスした手
腕こそ彼の功績で、それはジャケットの雰囲気からも取れるかも。
Ready Freddy」「Rock Around The Symbol」「Broken Man」で聴かれる脳天
からつま先まで急降下する直下型のドライヴィン・ロックから一辺して「60
Minutes To Go」「Wait A Lifetime」のような動と静を組み合わせたナンバーま
で揃っている。ファーガソンのコンポーザーの力量と彼のプレイ(Key&Piano)
の上手さも前作を遥かに上回る。
Junpin' The Gunne

(1973)
前作同様ビル・シムジクによるプロデュース作の3rdアルバムも最高位169位
と全く振るわなかった。それでもご機嫌なロックン・ロール集のこのアルバムか
らは彼らの「やる気」が充分に伝わってくる。
I Wanna Love You」「Getaway」「High School Droll」「Neon City」などのナン
バーは独特のJo Jo Gunne節を聴かせてくれるロックン・ロールだし、後のソ
ロ・アルバムにも収録される「To The Island」や「Couldn't Love You Better」で
はファーガソンのメロディー・メイカーとしての才能が開花したナンバーだ。。
つまり、ポール・マッカートニーの作る曲はすぐに彼の作品だと一聴して判るし
ジョン・レノンの作る曲にしても然り、それと同様にファーガソンの作る曲も彼の
カラーにべったりと染まって来た感じだ。
So...Where's
The Show?

(1974)
1stアルバム同様、セルフ・プロデュースによるラスト・アルバム。オリジナル・メ
ンバーのギタリスト、マシュー・アンデスから新ギタリストのジョン・ステイヒリー
へと替わる。ここでは前3作と変わる点はと言えば、どちらかと言うと演奏部分
に力が注ぎ込まれている気がする。今までの上質なポップ・センス溢れるロッ
クン・ロールから本格的なハード・ロック志向が顔を覗かせ、いよいよジョ・ジョ・
ガン旋風到来かと思わせるが、意に反してセールスは全米198位と全く振るわ
ず、敢え無くバンドは解散していしまう。全9曲どれもが親しみ易いファーガソン
流のメロディ・ラインを持ったナンバー揃いだが、中でも「S&M Blvd.」や「Falling
Angel」での間奏部分での展開は今までと一味もふた味も違うスパイスを効か
せてくれている。
ファーガソンは1982年過ぎまでソロ活動を続け、以後映画音楽の世界でその手
腕を発揮する。



( 2007/04/01 UP)