Robert John Lange(ロバート・ジョン・ランジ)

私がロバート・ジョン・“MUTT”・ランジの存在を強く認識したのは実際のところ80年代に入ってからデフ・レパードのアルバム・
プロデューサーとして活躍し始めてからである。他に有名なところではAC/DCやフォリナーと言ったところであろうか。私の所
有しているアルバムでは他にはカーズ、マイケル・ボルトン、シティ・ボーイなどがあり、面白いところではハートの「All I Wanna
Do Is Make Love To You」(邦題:愛していたい)などは彼のペンによる曲であって、プロデュース業の他にも多彩な面を披露
していた。また、彼の奥様はカナダ出身のシャナイア・トゥエインというカントリー畑の歌手とのことで、もちろん彼女のアルバ
ム・プロデュースも手掛けている。最近は本当に幅広いアーティストのプロデュースを手掛けている人という感じがあるが、私
のイメージとしてはやはり80年代のハード・ロック勢のプロデュース作が印象深かったりする。特に彼はデフ・レパードの曲で
も大半の曲作りに携わっているので、ランジ=デフ・レパードというイメージが特に強かったりする。
以下、私が所有しているCDの中からランジ・プロデュース作を5枚セレクトしてみた。



Book Early
(1978)

City Boy
このバンドを紹介する時にいつもその名前が付随してくるのが「10cc」なのだが、それは彼らの持ってい
るポップ・センスが10ccに非常に近いからものがあるからなのだろう。で、このアルバムは彼らの4枚目
のアルバムで、ここからは電話機の効果音で始る印象的なナンバー‘5.7.0.5’がアメリカでもTop 30
に入るヒットとなった。後のランジのプロデュース・アルバムを考えると中々面白いアルバムであり、コー
ラスの厚みとかは後の80年代のデフ・レパードのアルバム・プロデュースとかにも生かされているように
も感じる。ブリテェッシュロック・バンドらしいセンス溢れるメロディ・ラインがどの曲にも息づいていて、特
に‘Cigarettes’‘Do What YouDo、Do Well’‘Moving In Circles’といったナンバーがそれまでの彼らの
作品にはあまり見られなかったハード・ロック的な要素も入った曲で気に入っている。ある曲では10cc、
またある曲ではELOの曲?という雰囲気の曲もあったりするのだが、まぁ要するにビートルズの遺伝子
が入っているバンドなんでしょう、彼らも。
Back In Black
(1980)

AC/DC
前作のアルバム「Higjhway To Hell」より続いてロバート・ランジがプロデュース。Vo.のボン・スコットが
急死するというアクシデントがあり、このアルバムから元ジョーディのブライアン・ジョンソンに交代してい
る。前作からその兆候はあったのだが、より一層ヘヴィ・メタル色を強めており初期のブギー、R&Rの色
合いは薄くなっている。この時期、ヘヴィ・メタルのブームの火付け役を果したアルバムと言える作品か
もしれない。全体的に重たいリズムの曲が多い中、個人的にはやはり初期のようなスピード感溢れる
ギター・リフが印象的なナンバー‘Shoot To Thrill’や、彼らにしては珍しくポップなメロディ・ラインを持っ
た‘You Shook Me All Night Long’などが個人的には気に入っている。全英で1位、全米で4位に輝き、
遂には次のアルバム「For Those About To Rock」にて初の全米No.1を獲得して押しも押されぬNo.1
ヘヴィ・メタル・バンドへとなったのであった。
4
(1981)

Foreigner
オリジナル・メンバーのイアン・マクドナルド、アル・グリーンウッドが抜けて4人となってしまった文字通り
4枚目のアルバムをランジがプロデュース。ズシリとした感じの曲が並び、見事彼ら初の全米No.1アル
バムとなり、シングルも‘Urgent’(4位)‘Waiting For A Girl Like You’(2位)を始めとしてここからは4曲
のヒットを飛ばした。全曲をミック・ジョーンズとルー・グラムの2人で共作しており、余分な方向性が無く
なった分、非常に統一感のあるアルバムに仕上がっているとの印象を受けた。シングル・カットのB面と
なってしまったがミック・ジョーンズのスピード感溢れた個性的なギター・リフが印象的な‘Night Life’や
メロディ・ラインやコーラスがとてもポップな‘Luanne’などの佳曲も多く、静と動とが上手く噛み合った彼
らの代表作と言って良いだろう。
Hysteria
(1987)

Def Leppard
彼らのことを好きになったのがこのアルバムからでした。MTV流行の当時、流れてきた‘Animal’(全米
19位)を聴いて(見て)一辺で彼らのことが好きになってしまった。それまでは何となく名前は聞いていた
のだが、80年代のハード・ロックというだけで敬遠していた向きもあった。しかし、ここでの曲を聴くうちに
彼らの曲にはメロディが綺麗なものが多かったのでとても親しみが持てたのだった。そのメロディの良さ
に加えて分厚いコーラスも好きになった要因のひとつで、ランジは2枚目のアルバム「High‘N’Dry」から
プロデュースを手掛けており、このアルバムで一つの時代を築いたと言っても過言ではあるまい。ここ
でのもう一つの聴き物は事故で片腕を失ったリック・アレンのドラム・プレイで、そんな事を微塵も感じさ
せないプレイには脱帽である。‘Puor Some Sugar On Me’(2位)Rocket’(12位)‘Armageddon It’(3位)
Don't Shoot Shot Gun’‘Love And Affection’などのスケールの大きなハード・ロック・ナンバーと共に
Love Bites’(1位)‘Hysteria’(10位)と言ったレップス特有のドラマティックなバラードが光るアルバム
である。尚、アルバムは全英・全米で共に1位となる。
Greatest Hits
(1985-1995)

Michael Bolton
私が最初にボルトンを聴いたのは1983年のアルバム「Michael Bolton」であった。ここからのシングル・
カット‘Fools Game’がスマッシュ・ヒットして注目していた頃で、ちょうど同じ時期に日本ではブライアン・
アダムスと共に紹介されたのを思い出す。特に注目したのはハスキーがかった声でダイナミックにソウ
ルフルな歌い方をする点で、この「Greatest Hits」にも収録されているオーティス・レディングの往年のヒ
ット‘The Dock Of Bay’なども、彼らしさが存分に表現された好カヴァー曲となっている。カヴァー曲では
他には‘Georgia On My Mind’‘When A Man Loves A Woman’‘Lean On Me’などが収録されている。
余談だが彼は1992年に「Timeless」というカヴァー曲だけのアルバムも発表していたりする。
オリジナル曲では‘Soul Provider’(17位)‘How Am I Supposed To Live Without You’(1位)‘How Can
We Be Lovers’(3位)‘Time,Love And Tenderness’(7位)などが心に染み入るバラード・ナンバーで、恋
人とのデートの夜には最高の雰囲気を作ってくれそうだ(笑)。ランジはここでは‘Said I Loved You...But
I Lied’(6位)‘Can I Touch You...There?’‘I Promise You’の3曲を共作・プロデュースしていて、ボルトン
が持っているハート・ウォーム的なフィーリングを上手く生かした作品となっている。