LIVE! LIVE! LIVE! (BRITISH)
約20数年前まで、実は私はライヴ盤というものが嫌いでした。その理由として、@ライヴ盤
はスタジオ盤に比べると演奏がヘタクソだ。Aどうもライヴの迫力が伝わってこない。B音質
が悪い、などの理由からであった。確かに60年代〜70年代前半のライヴ・アルバムには、
以上の理由に当てはまるものが多かったのも事実だと思う。だから、Led Zeppelinのライヴ
盤などは未だに好きになれない一枚である。
しかし、そんな私に遅まきながら転機が訪れた。それは一枚のライヴ・アルバムとの出会いで
あった。言わずと知れた(誰も知らないだろうが)、STATUS QUO の1977年発表の2枚組
ライヴ‘STATUS QUO LIVE!’だ。当時の衝撃はかなりのものであった。とにかくノレる!
のっけから総立ち状態なのがわかる。興奮する。まるでライヴ会場にいるような臨場感!
これだ!これなんだ!求めていたのは!今までのライヴ・アルバムとは何かが違う・・・・・。
それ以来ライヴ盤に対する偏見はなくなり、過去、好きなライヴ・アルバムは数知れず。
ここでは何枚かのそんな素晴らしいライヴ・アルバムを紹介します。主に70年代のものを
中心に紹介していきます。『素晴らしいライヴ・アルバム』とは、もちろん主観的でありますが、
なにぶん何枚もありますので、取り敢えず‘Part 1’ ということで。


STATUS QUO LIVE !
(1977)

STATUS QUO
76年グラスゴーのアポロ・シアターでのライヴ。オープニングのMCのバンド紹介から
観客席の興奮状態がダイレクトに伝わってきて、彼らがイギリスではいかに人気がある
かが良く分かる。全盛期でのライヴだけあって、演奏の水準も高いし今は脱退してしま
ったベーシストのアラン・ランカスターのヴォーカルが中々迫力があって良い。選曲は
もちろんお得意のブギーを中心としており、それまでの彼らのベスト盤的なものとなって
いるので、初めて彼らを知る人にも良いんじゃないかな?残念なのはこのアルバムは
現在日本では廃盤になってしまっていることだ。かって大貫憲章氏がクォーの本当の
良さはスタジオ盤ではライヴの10分の1も伝わってこない、みたいな事を言ってたと思
うが正にその通りだ。結成以来30年を経た現在でもブギーに対する頑固なまでの一
貫した姿勢は変わってない。ブリティッシュ・ロック最高のライヴ・バンドの聴き出すと
あっという間に終わってしまう90分のステージを楽しんでもらいたい。QUOの頁参照。
LIVE AND DANGEROUS
(1978)

THIN LIZZY
こちらは77年と78年のツァーからのライヴ。ブライアン・ロバートソンとスコット・ゴーハ
ムのツイン・リード・ギタリストを有しての全盛期のライヴ・アクトだけに、そのテンション
は全編通して高い。フィル・リノットのVo.は時には攻撃的であり、時にはエロティック
でさえある。この人のヴォーカル・スタイルは聴く人によっては好き嫌いがあるかも知れ
ないが、このバンドにとっては唯一無比のものだ。ハードな曲はもちろんだが、例えば
Still In Love With You’のようなスロー・バラードでさえも、このバンドの魅力はより
一層輝きを増し、間奏では違ったタイプのリードギタリストのテクニックの競演を堪能で
きる。尚、‘Baby Drives Me Crazy’という曲で若き日のヒューイ・ルイスがハープで
味のある演奏を聴かせてくれている。THIN LIZZYの頁参照。
ONE FOR THE ROAD
(1980)

THE KINKS
こちらもQUO同様、30年以上の歴史を誇るブリティッシュ・ロック界老舗キンクスの79
年は全米ツアーでのライヴ・アクト。パンク・ブームもなんのそのとばかりに放った前作
‘LOW BUDGET’でのヒットを引っ下げてのツアーでのパフォーマンスは嫌が負うでも
テンションがあがると言うもの。レイ・デイヴィスのお世辞にも上手いとは言えないVo.
と弟デイヴ・デイヴィスの気迫のこもったプレイにはやはりQUO同様、ある種の強靭な
頑固さを感じてしまうのだ。初期のヒット曲から、この時期の最新の曲まで彼らの魅力
が余すところなく収められており、正にファン必聴のライヴ・アルバムとなった。キンクス
と言えば=レイ・ディヴィスととらわれ勝ちだが、ここではデイヴ・デイヴィスのギター・
ワークに注目して欲しい。ヒット曲‘Lola’‘You Really Got Me’はもちろんだが、隠
れた名曲‘Celluloid Heroes’でのドラマティックなプレイは個人的にはジミー・ペイジ
の‘Stairway To Heaven’におけるギター・ソロに匹敵するんじゃないかと思っている
のだが。一度その虜になったら貴方もキンキー・フリークスから二度と離れられない。
IN CONCERT
(1980)

DEEP PURPLE
D・Pのライヴ・アルバムと言えば誰もが‘Live In Japan’を思い浮かべるであろうが、
ここでは70年と72年に録音されたイギリスBBCでのスタジオ・ライヴ・アルバムを紹
介したい。何故このアルバムかと言えば、当時NHKで放映されたここでのライヴ・アクト
があまりにも鮮烈な印象だったからである。特にリッチー・ブラックモアの静かな佇まい
から想像も出来ないほどの迸るギター・プレイは鮮明な記憶として残っている。‘Live
In Japan’と違って、ここでは客席との距離との近さが妙な緊張感を生み出していて、
聴いていてその緊張感がダイレクトに伝わってくるのだ。変に編集されていない分、音
が荒々しくて良い。イアン・ギランのヴォーカルなんぞは、マイクがハウリングを起こす
くらいが殴りたてている様が面白く、また、それに負けないくらいリッチーのギターの生
々しいプレイがまたナンとも言えないところだ。ギター・ノイズやミスもなんのそのと言っ
たプレイが、ここでの一つの聴き所かも知れない。珍しい‘Neverbefore’のライヴ・テイ
クが聴けるのが嬉しいところと、当時アンコールの定番であった‘Lucille’でのイアン・
ギランの獣のような咆哮とそれに呼応するかのようなリッチーの火の出るようなリード・
ギターが凄い!
ABSOLUTELY LIVE
(1982)

ROD STEWART
80年から81年にまたがるワールド・ツァーからのライヴ・アルバムで、‘Foot Loose &
Fancy Free’から続くRod Stewart Bandでの最高のプレイが堪能できる。全17曲、ヒッ
ト曲のオン・パレードでエンターティナーRodの集大成とも言えるライヴ・アクトだ。ロック
ン・ローラーの面目躍如といったナンバー‘Sweet Little Rock And Roller’‘Hot Legs
She Won't Dance With Me/Little Queenie’や、しっとりとしたバラード・ナンバーの
Tonight's The Night’‘You're In My Heart’‘Sailing’、はたまた懐かしの‘Maggie
May’‘Gasoline Alley’まで、ソロでは初めてのライヴ・アルバムなだけにその選曲の豊
富さには改めて感心いたします。また、カーマイン・アピス、ジム・クリーガンらの70年
代を潜り抜けてきたバック・メンバー達の熟練した熱いプレイも見逃せなく、中には元
‘Babys’のメンバーのトニー・ブロックやウォーリー・ストッカーらの名前も見える。ラスト・
ナンバーでのFACES時代の代表曲‘Stay With Me’で、当節人気歌手であるキム・カ
ーンズ、ティナ・ターナーとのデュエットも聴き物の一つである。ホント、このアルバムは
『豪華絢爛』という言葉が良く似合うライヴ・アルバムだ。

LANCASTER&ROSSI
By STATUS QUO

(2000/12/14)