Bernie Marsden (バーニー・マースデン)


And About Time Too 1979

 初めてバーニー・マースデンの名前を耳にしたのは、確かディープ・パープルの解散後にデヴィッド・
カヴァーデイルが新たにホワイト・スネイクというバンドを結成し、そこにこのバーニーが参加した時で
あった。その後、ホワイト・スネイクは音楽誌にも良く取り上げられ、バーニーの姿も目にはしていたが
気になるギタリストという事も無く、またホワイト・スネイクでの彼のギター・ワークもそれほどには賞賛
を浴びるほどでも無かったように当時は思えた。
かつて彼が参加していたベイブ・ルースのアルバムも聴いたが、記憶に残るプレイは聞くことは出来な
かったように思える。
しかしかなり後になってだが、コージー・パウエルが1979年に発表した初ソロ・アルバム「Over The
Top」に参加した時の彼のプレイは何故か私の心の琴線に触れるものがあった。決して派手なプレイ
ではないがメロディアスに重きを置き、堅実で少し控えめなプレイとでも表現したら良いのであろうか。
それ以来、バーニーは気になるギタリストの一人となった。
 それからかなり月日が経った頃に、同じ1979年に実は初ソロ・アルバムを出していたという情報を耳
にし、早速CDを購入した。それがここに紹介する「And About Time Too」だ。
セピア色のジャケットと、何となくユーモラスな感じがかなり高ポイントだし、中身もそれに負けずに彼
のそれまでのギター歴を凝縮したような好ナンバーが目白押しである。
プロデューサーはパープル・ファミリーにはもうお馴染みのマーティン・バーチ、参加ミュージシャンには
イアン・ペイス、ジャック・ブルース、コージー・パウエル、ドン・エイリーら。
そのギターの音色は多彩で、インスト・ナンバー「Song For Fran」では叙情性溢れるギターを披露。サ
ンタナも顔負けの渾身のギター・ソロが冴える。
彼のヴォーカルは上手いという事は決してないが、「Love Made A Fool Of Me」や「Sad Clown」で聞け
るそれは、男の私が聞いてもチャーミングですらある(笑)。ハード・ロック・ギタリストのイメージが付き
ものだが、このアルバムのナンバーは実にポップ色強いナンバーが揃っている。上記の2曲もそうだ
が、ホワイト・スネイク時代に提供したここでの「Here We Go Again」では、バックの女性コーラスと共に
ギター・ソロなんかもハード・ロック・スタイルとは打って変わったポップなアレンジが好きだ。
ボーナス・トラックの「You & Me」と共に大好きなR&Rナンバー「Are You Ready」でも彼のヴォーカルと
ギターは実にリラックスしたプレイを聞かせてくれている。初ソロ・アルバムというと、とかく弾き過ぎる、
メインに出過ぎるイメージが強いが、彼の人柄がにじみ出ている一歩下がった控えめなスタイルがリ
スナーに安心感を与え、それが余裕あるプレイを生み出しているのかもしれない。
 70年代を堅実に縁の下の力持ちとして働いたこのギタリストのソロ・アルバムは最高だ。2枚目の
「Look At Me Now」でも派手さは無いが、同様のプレイが聴けるのでファン必聴のアルバムだ。




2008/03/20UP