Ian McLagan(イアン・マクラガン)


イアン・マクラガン〜元スモール・フェイセス&元フェイセスのピアノ&キーボード・プレイヤーとしてあまりにも
有名なミュージシャンで、通称「マック」。彼との出会いはやっぱりフェイセスでの転がるようなリズムを持った
プレイを耳にした時である。例えばフェイセスの不朽の名盤『馬の耳に念仏』や『Ooh La La』での彼のプレイ
に耳を傾けて欲しい。ロッドの声やウッディのいかしたギターの影に隠れがちだけど、彼の弾むピアノとかが
もし無かったらこれほどの名盤に成り得たであろうか?ウッディのギターも最高だけど、マックのピアノだって
それに負けないくらい最高なのだ。


Troublemaker

(1980)
彼のファースト・ソロ・アルバムで、キース・リチャードやロン・ウッド、スタンリー・クラーク、リンゴ・スター、
ボビー・キーズらと言う大物の名前がクレジットされてはいるけれど、豪華絢爛と言った感じは全然ない。
かと言って、彼のピアノやキーボードが全面に押し出されているかと言うと、そんなことも無い。そりゃ彼
らしいプレイ、フレーズは随所に聴かれるけど、それもいつものバックに徹したチラッと程度。それでもファ
ンにしてみたら満足度は高いアルバム。アルバム冒頭から「La De La」〜「Headlines」のロックン・ロール
大会みたいなノリが嬉しくなってしまう。2曲とも3分以内ってのも良いな。ここぞと言うべき所で飛び出す
弾むピアノのフレーズは一聴してマックのそれと判る。10曲中7曲にコンポーザーとしてクレジットされて
いてどれも味わい深いのだが、取り分け「Somebody」「Hold On」などのミドル・テンポの曲での彼の枯れ
た声とでも言うのだろうか、酔いどれ集団フェイセスで鍛えられたノドも中々楽しめる。トラッドな雰囲気が
漂う「If It's Alright」なんかを聴くと、やっぱり生粋のイギリス人を感じさせてくれる。
フェイセス・ファンだったらやっぱりマスト・アイテムなアルバムだろう。
Bump In
The Night

(1981)
前作に参加のジョニー・リー・シェル(g)を中心にリッキー・ファッター(ds)、レイ・オハラ(b)を加えたバン
プ・バンドとしての2枚目のアルバム。マックの義兄弟とも言うべき存在のロン・ウッドも1曲だけ冒頭の
Little Girl」で参加、粋の良いR&Rギターを披露していくれている。1作目同様、ジャスト・ロックン・ロー
ルなアルバムなところが嬉しい。全10曲タイトなリズムに乗ったファンキーでグルーヴなロックン・ロール
集。マックのピアノがちょっと影を潜めた感じはあるが、バンドとしてのアンサンブルは高い。しかも全曲
マックがコンポーザーとして携わっている分オリジナリティ度が強い。相変わらずの3分ちょっとのロックン
・ロールが楽しい「Told A Tale On You」「Judy Judy Judy」などが、やっぱりこの人の持ち味と言えそう
でキャッチーな甘酸っぱいメロディが妙に60〜70'っぽくて良い。
尚、このCDを彼のサイトから買ったら私の名前入りでサインが入っていた。彼のマメな人柄が伺える。
Green Light

Bonnie Raitt
(1982)
ボニー・レイットのこのアルバムを買ったのは、もちろんバンプ・バンドがバックを務めているからだ。それ
までは殆どと言って良いくらい、彼女のことは知らなかった。イメージとしてはカントリー系のサウンドなの
かなと思っていたのだが、どうしてどうして、ご機嫌なロックン・ロール満載です。ここでのマックはバンド
の一員としてプレイしていて、彼の独特のピアノ・プレイを聴くことが殆ど出来ませんが、その代わりにギ
ターのジョニー・リー・シェルが作曲にプレイにVo.にと大活躍している。スピード感溢れるR&Rナンバーの
Willya Wontcha」もジョニーの曲でトリッキーなギター・リフと共に、ボニー・レイットと息の合ったコーラス
が楽しい。間奏でのいかしたスライド・ギターはもちろんボニーだろうな。全体的には泥臭い感じのR&Rが
多いのだが、Terry Adamsという人のペンによる2曲「Me And The Boys」「Green Lights」もアップ・テン
ポな曲調で、聴いていてスカッとした爽快感が味わえるところが良い。プロデューサーは「Bump In The
Night」と同じくロブ・フラボニで、バックのカチッと決まった演奏が安心して聴いていられるアルバムだ。



( 2003/08/17 UP)