MEAT LOAF (ミートローフ)


ミートローフ、この一風変わった名前のロッカーの存在は知られているようで、以外と知られて
いない。彼の名を全世界に知らしめたのはもちろん‘BAT OUT OF HELL’(邦題:地獄のロッ
ク・ライダー)であろう。このアルバムもまた『ロック名盤』なる本には必ずと言って良いほど載
ってるアルバムだが、何故か一度も聴いたことがないと言う人も多いのではないかな?
彼は66年頃から本格的にバンド活動を始め、ウィンター兄弟やテッド・ニュージェントらの前
座なども経験したが、この頃はまだ無名の存在であった。その後『ヘアー』などのロック・ミュー
ジカルに出演したことがきっかけで脚本家のジム・スタインマンと運命の出会いをして、足掛け
2年の構想を経て‘Bat Out Of Hell’を世に送り出すことになったのである。
レスリー・ウェストと並んで巨漢ロッカーである彼の作品を紹介しよう。



BAT OUT OF
HELL
(1977)
プロデューサーにトッド・ラングレン、そしてバック・バンドにはトッドを始めとしたユー
トピアのメンバーやエドガー・ウィンター、エレン・フォーリー、ジム・スタインマンらを
擁して全世界で1000万枚以上を売ったデビュー・アルバム。アメリカでは発売後一
年掛けて14位までチャートを上昇し続け、更にイギリスでは最高9位ながら7年半
(382週!)もチャート・インするという記録も打ち立てた、まさにモンスター・アルバ
ムである。全編、ジム・スタインマンの軽快なピアノの旋律にのったミートローフの
ハイトーン・ヴォイスには只、驚嘆するばかりで、バック・メンバーの演奏なども冴え
渡っており、超一流のロック・オペラに仕上がっている。全7曲どれも名曲と言うに
相応しいが、特に10分近いタイトル・トラック‘Bat Out Of Hell’での息をもつかせぬ
程目まぐるしく変化する曲展開と、3曲のメドレーで構成される‘Paradise By The
Dashboard Light’におけるエレン・フォーリーとの掛け合いVo.が実に素晴らしい。
正真証明の名盤。(1000万枚の売上は88年当時での数字です)
LIVE
(1987)
このアルバム発表までの10年間、順調とは言えないまでもアルバムを出し続けて
いたが、あまりにもデビュー・アルバムが鮮烈すぎた為、その後はあまりパッとはせ
ず、ジム・ステインマンと離れてからの作風も変わった点が売れなかった原因の一
つかもしれなかった。ここでのハイライトはやはり‘BAT OUT OF HELL’からの曲(4
曲選曲)という事になってしまうのだが、ライヴ特有のノリを加味してもジム・スタイン
マンの作るロック・オペラ仕立ての曲はどれも素晴らしいの一言に尽きる。
バック・メンバーにはボブ・キューブリック(g)、アラン・メリル(g)、そして彼との掛け
合いヴォーカルが光るエイミィ・ゴフ(Vo.)ら。そのライヴ・パフォーマンスはかなり
シアトリカルに富んだものらしく、目と耳で存分に楽しめるらしい。
最後のジョニー・B・グッドから始まる‘Rock 'N' Roll Medley’も中々圧巻であり、そ
の大きな巨体を揺さぶってノリノリで熱唱している姿が目に浮ぶようだ。
BAT OUT OF
HELL U〜
BACK INTO
HELL
(1993)
15年振りにジム・ステインマンと組んだ‘BACK OUT OF HELL’の続編でこちらも全
世界で2500万枚以上を売り上げ、例によってジム・スタインマン、トッド・ラングレ
ン等が参加している。アルバム冒頭の‘I'd Do Anything For Love’‘Objects In The
Rain View Mirror May Appear Closer Than They Are’と言った10分以上のドラマ
チックな大作が聴き応え充分なナンバーだ。その一曲の中にドラマがあり、クライマ
ックスを何度も迎える作風はまさにジム・ステインマンの独壇場と言えるかも知れな
い。まるで壮大なハリウッド映画でも見終わったかのような脱力感が襲ってくるアル
バムである。(2500万枚の記録は93年当時での数字です)

BAD FOR GOOD
(1981)

JIM STEINMAN
これはジム・スタインマンがミートローフの‘BAT OUT OF HELL’の次のアルバ
ム用に書き溜めておいた作品を、突然ミートローフの声が出なくなった事から
急遽自ら作品化したもので、やはりトッド・ラングレン、エレン・フォーリーらが参
加しており、プロデュースもトッドとジムが当っている。全曲ジムの作曲であり、
ミートローフのアルバムに入れる予定の曲が中心となっているため、彼のヴォ
ーカル・スタイルもミニ・ミートローフといった感じがして面白いところだが、個人
的にはエレン・フォーリーのVo.がフィーチャーされているロックン・ロール・ナン
バー‘Dance In My Pants’なども好きだ。そのメロディアスでドラマチックな作
品群は、後に映画『フットルース』や『ストリート・オブ・ファイアー』といった作品
でサウンド・トラックとして脚光を浴びることを考えると面白いアルバムだ。
THE VERY
BEST OF
(1992)

ELLEN FOLEY
こちらは上記のアルバム等に参加したN.Y.出身の女性ヴォーカル。79年のア
ルバム‘NIGHTOUT ’でソロ・デビューを果たし、イアン・ハンターやミック・ロンソ
ンらが全面バック・アップしたことでも有名だ。その後81年、83年にもアルバム
を発表、その中からのベスト・テイクを集めたベスト・アルバムがこれ。曲によっ
ては初期のブルース・スプリングスティーンを彷彿させるストリート・ロッカーっぽ
い曲もあって良いし、しっとりとしたバラード調の曲もそれなりに卒なくこなして
いる。上記のアルバム等で聴かれたパンチ力ある歌声は多少なりを潜めてい
るが、ストーンズのカヴァー‘Stupid Girl’ではその片鱗を覗かせてくれている。

ミート・ローフはその他に、テッド・ニュージェントの76年発表のアルバム‘FREE FOR ALL’(邦題:ハード・
ギター爆撃機)に覆面ヴォーカルとして参加してるとのことで、これも是非とも聴いてみたい一枚です。