MUD (マッド)


私がマッドを知ったのは1974年にイギリスでNo.1ヒットとなった‘タイガー・フィート’によってであった。このマッドが日本の
ロック雑誌で紹介されたのが確かクイーンが紹介されたのと同じ号の同じページ内であったので良く憶えている。レス・グ
レイ(Vo)、ロブ・デイヴィス(g)、レイ・スティルス(b)、デイヴ・モント(ds)の4人によってマッドは古くは1966年に結成され
ている。1967年に初シングルをリリースするも全然売れず、以後長い下積み時代が続く。彼らに転機が訪れたのは1973
年、当時ミッキーモストの設立したRAKレーベルに移籍して、そこからスウィートやスージー・クアトロらを売り出していたプ
ロデューサー・チームのチン&チャップマンによって彼らは売り出された。以後彼らのシングル・ヒットは‘Tiger Feet’(1位)
を初めとし‘The Cat Crept In’(2位)、‘Rocket’(6位)、Lonely This Christmas(1位)、The Secrets That You Keep(3位)、
Oh Boy(1位)と続くのであった。マッドのアルバムはプロデューサー特集のニッキー・チン&マイク・チャップマンのページで
も紹介しているが、ここでは彼らの2枚のオリジナル・アルバムを紹介しよう。



Mud Rock

(1974)
全編ロックンロール・パーティ形式で構成されている。8割方60年代のロックン・ロールのカヴァー曲集という
感じだが、‘Running Bear’‘The Hippy Hippy Shake’‘Shake、Rattle And Roll’‘Bye Bye Johnny’といった
曲でセンスの良い演奏が聴ける。もちろん彼らオリジナルのヒット曲‘Rocket’‘Tiger Feet’‘The Cat Crept
In’(邦題:ドラ猫ロック)も収録されてはいるが、後者の2曲はメドレー形式になっているので一曲全部聴き
たいという方は彼らのベスト・アルバムが何種類か出ているのでそちらを買われたほうが良いと思う。
曲と曲との間にも、いや、曲の途中にもパーティらしい歓声や声援などが入っていて、存分にその雰囲気が
楽しめる所がミソと言えばミソかも。この手のパーティには欠かせない‘The End Of The World’をしっとりと
歌い上げたり、インストゥルメンタル・ナンバーの‘In The Mood’なんかの粋なロックン・ロール・ヴァージョン
の演奏もまた、このバンドの持ち味と言って良いでしょう。いや、これはホント楽しめるアルバムです。
Mud Rock Vol U

(1975)
これも2匹目のドジョウを狙ったかのようなアルバムで、またもパーティ形式。やはりシングルとなった‘The
Secrets That You Keep’‘Oh Boy’を除いた全曲が50〜60年代のカヴァー曲。ここではクリフ・リチャードで
有名な‘Living Doll’や、ポール・アンカの‘Diana’といった渋い選曲もあったりする。前作でも聞かれたがレ
ス・グレイのエルヴィス・プレスリーそっくりの声も‘One Night’や‘Hula Love’で存分に楽しめるし、‘Let's
Have A Party’のような単純明快なロックン・ロールは彼らの魅力が上手く生かされたナンバーだと思う。
しかし、同じパターンのアルバムが続いたのと、選曲がイマイチ地味な点がちょっと一枚目に比べると出来
が少し落ちるかなと思ってしまう。
この後彼らはRAKを離れて彼らオリジナル作の‘L-L-Lucy’を10位のヒットとしたが、78年にレスが脱退し
てからの活動を私は良く知らないのである。



彼らのファッションはいつもこんなでした(笑)