FELIX PAPPALARDI(フェリックス・パパラルディ)

クリームを世に送り出したことで一躍その名を轟かせたフェリックス・パパラルディは次にギタリストのレスリー・
ウェストと組み、自らベース&ヴォーカルを担当してマウンテンを結成した。特にマウンテンでのファズ・トーン
をかけたグシャグシャになったその重厚なベース・サウンドが結構好きだった。
その後も彼はべドラムやナチュラル・ガスと言った今でいう所のB級バンドを幾つかプロデュースしながらもマ
ウンテンを解散・再結成させたり、竹田和夫率いる日本のクリエイションとプレイしたりと、かなり親日家として
も知られていた。私の記憶だとお蔵入りになってしまったという、マギー・ベルの3枚目のアルバムもプロデュ
ースしたはずだ。彼は1983年に妻によって殺害されるというショッキングな死にかたをしてしまった。
そんな彼のプロデュース・アルバムを5枚紹介したい。



GOODBYE
(1969)

CREAM
A面がライヴ。B面がスタジオ録音というアルバムで、最初に聴いたのは発売から5年以上も経って
からの私が高校生の時だった。その当時は全然好きにはなれなかったバンドであるのだが、今聴
いてみると、さすがにライヴでの‘I'm So Glad’でのエリック・クラプトンやジャック・ブルースのプレイ
は凄いの一言に尽きる。もろブルースというのは苦手であるが、ブルースっぽいロックは結構好きな
ので、ここら辺は充分にいけます。ポップなナンバー‘Badge’だけは発売当時から知っていたナンバ
ーで、当時ビートルズ特集をやっていたラジオ番組で流れた曲だったので、2〜3年くらいはずっとビ
ートルズの曲だとばっかり思っていました。この曲にはジョージ・ハリソンも参加しているとのことで、
間奏のギターソロがなんとも印象的です。ピアノの旋律が印象的なナンバー‘Doing That Scrapyard
Thing’などもポップな出来で印象に残ります。
MOUNTAIN
(1969)

LESLIE WEST
パパラルディが発掘したギタリスト、レスリー・ウェストの初ソロ・アルバムであるが、ここから発展して
マウンテンが結成され1969年のウッドストック・フェスティバルにて華々しくデビューした。まだブルー
スっぽいロックではあるが、後のマウンテン・サウンドの礎となったものは充分感じられる。
殆どがヘヴィなブルース・ロックという感じだが、後のマウンテン・サウンドにも通じるような多少カント
リー・テイストの入った‘Better Watch Out’やキーボードをフューチャーしたメロディアスなナンバー
Storyteller Man’や‘Look To The Wind’が印象に残る曲だ。レスリー・ウェストの印象的なプレイが
あまり聴けない点にちょっと不満が残る所だ。尚、ボブ・ディラン&リック・ダンコ作の‘This Wheel's
On Fire’をカバーしている。ドラムスはまだコーキー・レイングではない。
THE ROAD EVER
GOES ON
(1972)

MOUNTAIN
パパラルディのベースとウェストのギターがまるでクリームのJ・ブルースとE・クラプトンを思わせるよ
うな熱きプレイが全編聴ける好ライヴ・アルバム。曲目こそ4曲と少ないが、‘Crossroader’での珍し
いスライド・ギターが一つの聴き所で、もう一つはやはりライヴでのハイライトとも言える‘Nantucket
Sleighride’でのレスリー・ウェストの芸術とも言えるようなプレイである。後にマイケル・シェンカーにも
影響を与えたというそのギター・プレイはハードな中にもメロディアスな部分を決して失っていない。
ここでのドラムはコーキー・レイングで、後に出る日本でのライヴを録音した「ツイン・ピークス」と比べ
ると、タイトなリズムを刻んでいるのが良く判る。
BEDLAM
(1973)

BEDLAM
ともかくジャケットの印象がやたら強烈である。昔からこのジャケットだけは見た憶えがあったものの
肝心の音は全然聴いたことがなかったのだが、2000年になってようやくCD化されて初めて聴くことが
出来た訳である。有名なのはコージー・パウエルくらいで、他のメンバーに関しては全然判らないの
だが、どれも同じような曲調であるため、アルバムを通して聴くと多少辛いものがあったりする。
コージー・パウエルはちょうどジェフ・ベック・グループ解散後であるらしく、特にそのドラムが光ってい
るとはお世辞にも言えない。ヴォーカルやギターも決して下手ではないのだろうが、どうもこれと言っ
た楽曲が無いのである。強いて言えばジェフ・ベック・グループ時代の盟友マックス・ミドルトンが参加
した‘Sweet Sister Mary’でのメロディアスな部分が良質と言えようか。パパラルディはキーボードで
殆どの曲でも参加している様子。全編ラフなハード&ヘヴィなサウンドである。
NATURAL GAS
(1976)

NATURAL GAS
元バッド・フィンガーのジョーイ・モランド、元ユーライア・ヒープ→コロシアムのマーク・クラーク、元ハ
ンブル・パイのジェリー・シャーリーらが結成した、当時「スーパー・グループ」の振れ込みでデビュー
したこれが唯一のアルバム。どういう経緯でパパラルディがプロデュースをする事になったかは良く
は判らないが、当時は彼自ら「ナチュラル・ガスは必ずやロックの歴史の1ページにその名を刻み込
むであろう」と言っていた。しかしながらその言葉とは正反対に、当時はかなり前評判倒れであった
らしい。今聴いてみると、かなりポップな作品が並んでいて良いと思う。‘Little Darlin'’‘You Can Do
It’やシングル・カットされた‘The Right Time’などのナンバーはブリディッシュ・ポップ・ロックの王道
をいくような作品だし、‘I've Been Waitin'’‘Miracle Mile’と言ったハードなギター・リフを強調した曲も
悪くはないが、何れもVo.の線が細い為ちょっとインパクトに欠けるきらいはある。こういった忘れら
れそうなバンドのアルバムも今後どんどんCD化されることを望む次第だ。


NATURAL GASの音源については、Web仲間である大国さんのご好意によって
LPからCD-Rに落として頂き、聴くことが出来ました。Thanks a Lot!