Peter Asher (ピーター・アッシャー)

何を隠そう今回登場のプロデューサー、ピーター・アッシャーは1964年に‘A World Without Love’(愛なき世界)の全米No.1の
ヒットを飛ばしたピーター&ゴードンのピーターなのである、と言うのを最近になって私は知った。アップル・レコードでデビュー
したジェイムス・テイラーのアルバムをプロデュースしたことから彼のプロデューサー人生はスタートした。以後その人脈は着々
と広がり、リンダ・ロンシュタッドの70年代の一連のヒット・アルバムのプロデュースが有名かな?
他にも色んなアーティストのアルバムをプロデュースしているとは思うが、私が現在所有しているのは以下の4アーティストだけ。
どれもが統一した彼の色が現れてるアルバムだと思う。



Jo Mama
(1970)

Jo Mama
ダニー・クーチ目当てで最近買ったアルバムなのだが、期待通り以上のアルバムだった。当時は
全然その存在すら知らなかったバンドである。R&Bを基本としながらもジャッジーな香りをちょっと
フレイバーさせたカントリー・タッチな響きを効かせたダニーのギターがやはり渋い。アビゲイル・ヘイ
ネスという女性がリード・シンガーであるが、この人のヴォーカルがまた良くって、ダニーのギターも
でしゃばらず、しっかりとツボを押さえた演奏は安心感すら与えてくれる。全12曲心地よいサウンドが
一杯であり、中にはジェリー・リー・ルイスで有名な‘Great Balls Of Fire’なんかもJo Mama風な粋な
アレンジで聴ける。この時代、もう一つの健全なアメリカが見えてくる。。ダニー・クーチのファンには
必聴の一枚と言えるアルバム。
Sweet Baby James
(1970)

James Taylor
アップル・レコード契約第1号のアーティストとして注目を集めたが、それほどには売れなかった.。
これは次のワーナー移籍後の最初のアルバムで、シンガー・ソング・ライター時代の草分け的アル
バムだ。バック・メンバーの顔ぶれを見ると、ダニー・クーチ、キャロル・キング、ランディ・マイズナー
等、今考えるとホント怱怱たるメンバーが揃っている。そんな彼らのバックのもとジェイムス・テイラー
の声は瑞々しくって、その伸びやかで優しい声が独特の世界を作り出しているように思える。ギター
一本のシンプルなサウンドで歌い上げる‘Oh,Susannah’のような曲が、きっとこのアルバムの本質
なんだろう。このアルバムからは‘Fire And Rain’のヒットが生まれた。
What's Wrong With
This Picture
(1977)

Andrew Gold
アンドリュー・ゴールドとの出会いはこのアルバムからシングル・ヒットした‘Lonely Boy’(全米7位)
によってであった。聴き終わったあとも、なんとも残像感のあるメロディが印象的なナンバーである。
その後にリンダ・ロンシュタッドのバックでも彼が活躍していた事が判るのだが。ここでもダニー・
クーチが参加しているが、主にリンダ・ロンシュタッドのバック・メンバーであるワディ・ワクテル、ラス
・カンケル、ケニー・エドワーズらで、リンダ自身も含めてピーター・アッシャーもがコーラスで参加し
ている。いろんなタイプの曲が揃い、聞き手を飽きさせないアルバムだ。ウェスト・コースト・サウンドに
分類される向きも多分にあるが、ここでは珠玉のポップ・ナンバーを聴かせてくれる。ジャクソン・ブラ
ウンでも有名な‘Stay’での軽妙なアレンジも光っている。
Greatest Hits Vol.U
(1976〜1980)

Linda Ronstadt
現在も現役バリバリの声を聴かせてくれるリンダにはその時代において色んな顔があるが、私は
この頃の彼女が一番好きだ。ヒット曲が多い事もさることながら、その選曲のセンスの良さが一番
気に入っていた。
ストーンズの‘Tumbling Dice’、チャック・ベリーの‘Back In The U.S.A.’などや、渋いところでは
ウォーレン・ジヴォンやカーラ・ボノフなどのナンバーも目を引くところだが、スロー・バラードからロッ
クン・ロールに至るまでその曲にあった歌い方がされてる点が実に素晴らしい。この時期、リンダ・
ファミリーとも言うべきミュージシャンが揃っていたが、同じくダニー・クーチ、アンドリュー・ゴールドら
も曲によっては参加している。
個人的には、キース・リチャ−ド直系のギタリストであるワディ・ワクテルのプレーが好きでした。