Ronin (ローニン)


 Ronin (1980)

このローニン(Ronin)を紹介するに当たってさほど詳しい資料がないのだが、まずメンバーはリーダーのワディ・
ワクテル(g、Vo)をはじめダン・ダグモア(g)、スタンリー・シェルダン(b)、リック・マロッタ(ds)がクレジットされて
いる。また、数曲でドン・グローニック(p)が参加している。そう、彼らは1977年頃からリンダ・ロンシュタッドのバッ
ク・バンドとしてワディを中心として活躍していたセッション・ミュージシャン達が作ったバンドで、これが残された唯
一のアルバムなのだ。79年にリンダが来日した時もワディ、ダン、ドンの三人はバックを務めていた仲である。
このアルバムはその当時、丁度リンダがR&Rに傾倒していた時期を反映してか、かなりノリの良いナンバーが揃
っている。
それまで、ワディのギターはリンダ・ロンシュタットの他にはアンドリュー・ゴールド、ウォーレン・ジボン、カーラ・ボ
ノフ、ジェイムス・テイラー、J・D・サウザー等のアルバムで聴かれましたが、ここではより一層彼のプレイを堪能
出来るナンバーが揃っています。中でもチャック・ベリー〜キース・リチャード直系のギター・プレイが光る「Love's
Coming Into My Life Again」「Home At Last」「America The Beautiful」「Feels Rights」などのガッツ溢れるR&R丸
出しのナンバーが私のお気に入りで、特にラスト・ナンバーの「Feels Rights」ではワディとダンのチャック・ベリー
やキース・リチャードもぶっ飛ぶくらいの迫力満点のギター・ソロが聴け、思わず拍手喝采である。「Hey Nadine
なんかも曲名だけでチャック・ベリー・フリークの彼らしさが丸見えで、思わずニヤリとしてしまう。
一曲を除いてワディが全編リードVo.を取っているが、お世辞にも上手いとは言い難いそのVo.にも、ロックン・ロ
ールの気合いは十二分に感じ取れるし、そのワディの直線的なギターに絡むダン・ダグモアのペダル・スティール
も良い味わいを出していて、またその二人を支えるベース、ドラムのリズム隊のどっしりとした安定感のある演奏
には、さすがウェスト・コーストの腕利きセッション・ミュージシャンのバンドと唸ってしまう。
それまで決して表舞台に立つ事の無かった長身のギタリスト、ワディ・ワクテル。思えばミック・テイラーの後任の
ギタリストとしてストーンズ入りを噂されたこともある唯一表舞台に立ったリーダーズ・アルバムを、未聴の方には
是非とも聴いていただきたい一枚だ。
尚、プロデューサーはリンダの一連の70年代のヒット・アルバムでも有名なピーター・アッシャーである。


 

2004/11/01UP