SLADE (スレイド)


スレイドは1969年にアンブロージア・スレイドとしてデビューして以来、30年余り一回のメンバー・チェンジもなく
活動してきた。ヴォーカル&ギターのノディ・ホルダー、ギターのデイヴ・ヒル、ベースのジム・リー、ドラムスのド
ン・パウウェルというのが不動の4人のメンバーである。最初に聴いた曲は1972年当時聴いていた洋楽のべス
ト10のような番組での「グッバイ・ジェーン」であった。折りしもグラム・ロックのブームが日本でも流行し始めて、
T・レックスやデヴィッド・ボウイ、スウィート、モット・ザ・フープル等のバンドの曲がチャートを賑わしてしたと思っ
た。しかも、偶然深夜に見た彼らのステージ映像はギンギラのファッションに身を固めていて一辺で好きになっ
てしまったのである。ちょうど下に貼り付けた画像のような格好をしていたと思う。
今でも素晴らしいアルバムを発表している彼らだが、ここでは私の一番好きな70年代前半のアルバムにスポッ
トを当てて紹介したい。



SLAYED ?

(1972)
このアルバムから上述の‘Gudbuy T' Jane’と‘Mama Weer All Crazee Now’がヒットして彼らの
イギリスでの人気を不動のものとした。なんと言ってもジャケットがカッコ良くって、メンバーが突き
出した拳にSLADEと書かれているところが何とも自信に満ち溢れている。オリジナル曲では‘How
D'You Ride’‘The Whole World's Goin' Crazee’などがシンプルな曲調ながらもノディのダミ声と
それに上手くマッチしたグリッター感バリバリのサウンドが唯一無比の世界を作り出している。ま
たここでは2曲のカヴァー曲が含まれており、ジャニス・ジョップリンの‘Move Over’は所謂SLADE
風なギンギラギンなノディのシャウトとヘヴィな演奏が見事だし、もう1曲のカヴァー‘Let The Good
Times Roll 〜 Feel So Fine’はオールディーズなシンプルなロックン・ロールだがお得意のハンド
・クラッピングを交えたその軽快な演奏はツボにはまってしまう。このような曲が案外彼らのルーツ
なのかも知れない。
SALDEST

(1973)
70年代初期のヒット曲が詰まったアルバムと言ったらもちろんこれ。当時はまだシングル・ヒットが
中心となっていた為、アルバム未収録のナンバーがここには勢揃いしている。上記アルバムの2
大ヒットの他には‘Cum On Feel The Noize’‘Look Wot You Dun’‘Skweeze Me , Pleeze Me
Take Me Bak 'Ome’‘Coz I Luv You’などが収録されている。彼らのサウンドは主に労働者階
級に受けていたため表記方法を「Crazee(Crazy)」とか「Cum On(Come On)」とかにしていたと
のことだ。アルバム「Play It Loud」にも収められていたヤードバーズの‘The Shape Of Things To
Come’なんかを聴くとこの人達のカヴァー曲のセンスの良さを再確認してしまう。更にはグラム・
ロック・ブーム以前の‘One Way Hotel’‘Pouk Hill’みたいな少しカントリー・チックなナンバーも彼
らのもう一つのルーツなのだろうか、などと思ってしまった。
OLD NEW BORROWED
AND BLUE

(1974)
次第にグラム一辺倒なサウンドから遠ざかって行った時期のアルバムで、今こうして聴き返して
みると実に多彩でポップな作品が並んでいることが判る。‘My Town’‘Do We Still Do It’’Good
Time Gals’など従来のスタイルに近いハードタッチなR&Rもあれば、前年にNo1.に輝いた‘My
Friend Stan’に代表されるようなビートルズチックな‘When The Lights Are Out’や‘Miles Out
To Sea’などメロディやコーラスにおいて、良い意味で以前の作風との異変を感じさせるナンバー
も多い。尚、「When The Light 〜」は珍しいベースのジム・リーのリードVo.である。そして彼ら初
のバラード‘Everyday’はノディの切々としたVo.そして泣きのギター・ソロが胸にグッとくるものが
あって、文句無しの名曲と言える。72年の「Slade Alive !」以来、これで4作連続のNo1.ゴールド・
ディスクとなる。邦題は「大狂乱スレイド一座」。
IN FLAME

(1974)
これは「Flame」という彼ら初の主演映画のサントラ盤であるらしい。まずはオープニングでピアノを
バックにノディ・ホルダーが切々と歌い上げる‘How Does It Feel ?’にちょっと驚かされてしまい、
大胆なホーン・セクションの導入なども今までのアルバムとは趣を異にしている点に気付く。
また、前作から顕著なコーラス・ワークはここでも冴えを見せており‘So Far So Good’‘Summer
Song’‘Heaven Knows’などのナンバーでアレンジが光り、実に見事である。ちょっとアメリカナイ
ズされたサウンド作りがなされている点が目を引く。シングル・カットされた‘Far Far Away’なども
そうした傾向のサウンドで、珍しくアコースティックなサウンドに挑戦したりもしている。ブリティッシ
ュ・ロックの伝統を感じさせる‘O.K. Yesterday Was Yesterday’でさえ以前の彼らのサウンドと比
べると遥かに軽いサウンドに聞こえる。グラムチックなサウンドを期待すると場違いな音には違い
ないが、これはこれで充分に楽しめるアルバムだ。邦題は「狂乱の炎」。
NOBDY'S FOOLS

(1976)
アルバムに先駆けてシングル・カットとなった‘In For A Penny’はミドル・テンポの甘いバラード調
のナンバーで、かろうじてチャートの11位に食い込んだものの、ここら辺からスレイドの人気も影を
潜め始めた。このアルバムのサウンド作りもやはりアメリカナイズされた聴きやすいものとなって
はいるが、やはり底辺に眠っているブリティッシュ魂みたいなものは感じられる。このアルバムで
は女性バック・コーラスが多用されていたり、ギター・サウンドがやたら軽くなっていたりして当時
は軟弱になったスレイド?などと思ったりもしていたのだが、今こうして聴き返してみるとポップな
サウンドが面白い。レゲエ調の‘Did Your Mama Ever Tell Ya’とか、ちょっと南国風ムードの‘I'm
A Talker’などを聴いていると往年のグラム・バンドのイメージは一気に払拭されてしまうようだ。
そう言えばここで使われている女性バック・コーラスのチープさは、どこかキンクスのある時期に
通じるものがある。丁度キンクスがロック・オペラ調のアルバムを出していた頃だ。時期も同じ頃だ
し、ちょっとした流行りだったのだろうか?




ノディ・ホルダーのタータン・チェックのズボンとデイヴ・ヒルの金色のグラムチックなファッションに注目!
ちょっとこの画像では見にくいがデイヴは更に広いおでこにキンキラなラメを貼り付けていたりもしている。

1971年
1972年 
1973年
1974年
Coz I Love You(1位)
Look Wot You Dun(4位)
Take Me Bak 'Ome(1位)
Mama Weer All Crazee Now(1位)
Gudbuy T' Jane(2位)
Cum On Feel The Noize(1位)
Skweeze Me,Pleeze Me(1位)
My Friend Stan(1位) 
Everyday(3位)
Bangin' Man(3位)
Far Far Away(2位)


2003/3/9UP