Sparks (スパークス)


スパークスは実はアメリカ出身のバンドなのだが、ここで紹介する3枚はイギリスの名門「アイランド」レーベルで
発表されたもので、初期スパークスの入門編であると同時に彼らの音楽のルーツだと思う。
この3枚を聞いてアメリカのバンドの音だと思うのは難しいと思う。聞いた当時はすぐにクイーンとか10CCとかの
サウンドが思い起こされた。楽曲的に、そしてサウンド的にポップに富んでいてイギリス特有のヒネリの利いた
構成はブリット・ポップ好きの私のツボにすぐにハマった。
イケメンの弟ラッセル・メイルと兄のロン・メイルが作り出すモダン・ポップな世界はこの時期に開花した。
現在も現役で活動を続けている所が凄いと思う。
ここではそのアイランド・レーベル時代の優れた3枚のアルバムにスポットを当てて紹介したい。


Kimono My House

(1974)
前作2枚をアメリカで発表。一作目はトッド・ラングレンのプロデュース、2作目も
さほど脚光を浴びることなく終わった。そして彼らはイギリスに移住して新メンバ
ーを探して作った3枚目のアルバム。
ラッセル・メイルのオペラティックな歌い方がバンドの作り出すモダン・ポップな
サウンドにマッチしてイギリスで受け入れられた。勘違い的なジャケットと共にど
こか摩訶不思議なメロディが当時のイギリス国民に強烈な印象を与えたという
事だろうか。
一曲目の「This Town Ain't Big Enough For Both Us」(全英2位)と二曲目の
Amateur Hour」(全英7位)のロン・メイルが作り出すモダン・ワールドに一発で
やられてしまった。
変幻自在のサウンドがアルバム中に散りばめられイギリスでは4位のヒット作と
なり、一躍脚光を浴びる事となった彼らの出世作。
Propagandar

(1974)
前作から半年で作られた、内容は殆ど続編という感じだ。
よりポップでよりハードなナンバーが並び前作同様、一気に最後まで聴かせて
しまう勢いと構成力があるが、ラッセル・メイルの変幻自在のロック・オペレッタ
なVo.が全曲で冴える中、「Never Turn Your Back On Mother Earth」(全英
13位)でのバラードが一際目立つ。当時、キンクスのレイ・デイビスもこの曲を
大絶賛していたらしい。
この時期、イギリスはグラム・ロックの人気に翳りが見え、その後に続く10ccや
ロキシー・ミュージック、コックニー・レベル、ビー・バップ・デラックスなどのモダ
ン・ポップなバンドが出現し始めた。スパークスも間違いなく、その最先端を走
っていた。邦題は「恋の自己顕示」。全英9位。
Indiscreet

(1975)
前2作と比べるとヒット曲が無い分、一般的には認知度が低いイメージがあるが
トニー・ヴィスコンティをプロデューサーに迎え入れよりドラマティックな曲が並び
コンセプト・アルバム的な作りがされている。
一曲目の「Hospitality Parade」でのオペラティックな流れから、次第にヘヴィな
ブギーへと変化する所からアルバム全編への仕掛けの序曲が始まる。一曲一
曲が変化に富み、「Get In The Swing」みたいな大仰なコーラスを多様に使い
ロックというジャンルに留まらない曲が多い。一時期のキンクスの世界にも通じ
るシアトリカルなアルバムに仕上がっている。邦題は「スパーク・ショー」
以後、再び彼らはアメリカに戻る。




( 2010/03/28 UP)