STEVE MILLER BAND


スティーヴ・ミラー、彼は60年代初めよりプロのギタリストとしての道を歩み始め、大学時代の
同級生でもあったボズ・スキャッグスもこの頃からの仕事仲間であった。60年代後半には自ら
のバンドでデビューを果たし、その当時はR&Bに根ざしながらもサイケデリックなサウンドを
追求していたらしい。
しかしながら、70年代に入ると多少ポップな彩りを加えたサウンド作りを行い、遂にはアメリカ
ン・チャート・トップにまで登りつめる曲を放ったのである。彼の声質が軽いので、それに合わ
せた軽快で歯切れの良いギター・トーンを核としたサウンド及びメロディーが70年代の特徴で
あったかもしれない。
現在私が所有していて、当時良くラジオから流れてきたアルバムを紹介しましょう。



THE JOKER
(1973)
ここからはアルバム・タイトル曲‘The Joker’が翌年初めのビルボード誌にて彼
にとって初の1位となる。まだここでのサウンドはさほどポップな面は見られず、R
&Bに根ざした曲が中心となっている。だが1曲目の‘Sugar Babe’でのキャッチー
なサウンドには後の大ヒット・アルバムの出現を予感させるものがあり、彼の特
徴の一つである明るく歯切れ良いギター・リフを生かした好ナンバーだ。その他、
Shu Ba Da Du Ma Ma Ma’での弾むようなベースのリズムに乗ったメロディー、
後半での珍しいソロ・ギターなども聴き応え充分で、‘Something To Believe In
のようなメローなナンバーにおける彼の囁くようなヴォーカルもまた味わいがあり
ます。アルバム・チャートは2位。
FLY LIKE
AN EAGLE
(1976)
このアルバムの曲は当時私が愛聴していたFENの番組にて本当良く耳にし、特
に彼にとって2曲目のNo.1となった‘Rock'n Me’は連日かかっていて、耳にタコ
ができる程でした。シャープなギター・リフと、この後のアルバムでも度々聴かれ
るハーモニーが特徴的な軽快なナンバーです。またタイトル・トラックの‘Fly Like
An Eagle’もNo.2となりましたが、こちらはガラっと変わってスペーシーなサウン
ドに乗っかったファンキーなリズムがウケました。(私は好きになれなかったが...)
その他、やはりファンキーなノリを見せながらも、軽快なリズムと歯切れの良いギ
ター、明るいコーラスが良い‘Take The Money And Run’(11位)や、同様のタイ
プの曲調とも言える‘Serenade’なども良い。また、何人ものミュージシャンがカバ
ーしているサム・クックの名曲‘You Send Me’ではスティーヴの多重録音による
一人コーラスが素敵だ。カントリー、R&Bナンバーも多種揃えたなかなか贅沢な
アルバムではある。アルバム・チャートは3位。邦題:鷲の爪。
BOOK OF
DREAMS
(1977)
これぞスティーヴ・ミラーの最高傑作アルバムと言えるだろう。ポップ・センス全開
まる出しのアルバムとは正にこれを指す。まずは前作同様、アルバムはスペー
シーなイントロに導かれて必聴曲‘Jet Airliner’(8位)の登場だ。これだけでもこ
のアルバムを聴く価値があるというもの。くれぐれも安易にBEST盤には手を出さ
ないように。BEST盤はイントロがカットされてるショート・バージョンになっている
からだ。ここでの1分にも及ぶ素晴らしいギターのイントロを聴いて欲しいのだ。
軽快なドラミング、魅力的なベース・ライン、キャッチーなハモリ、どれを取っても
素晴らしいの一言に尽きる。続いてシングル・ヒットとなった‘Jungle Love’(23
位)や‘Swingtown’(17位)などポップ・エッセンスが目一杯詰まった曲が目白押
しで、‘Winter Time’、‘My Own Space’などスロー・テンポな曲も充実していると
ころがまた今までのアルバムと比べて素晴らしい。アルバム・チャートは2位。
邦題:ペガサスの祈り。
STEVE MILLER
LIVE!
(1983)
前年の‘Abracadabra’(1位)のヒットの余勢をかって発表したライヴ・アルバム。
彼のヒット曲を全て網羅しているその選曲はベスト・アルバム的な要素も含んで
はいるが、スタジオ盤とはまた違った荒々しいプレイで聴くものを魅了する。スタ
ジオ盤と一番違う点は、ラフなギター・サウンドがかなり全面に押し出されている
所である。上記のアルバムに収められたヒット曲はもちろん、60年代にボズ・ス
キャッグスが在籍していた時期の曲‘Living In The U.S.A.’‘Gangster Love
といったナンバーも聴けるが、聴き物はやはり‘Rock'n Me’や‘Jet Airliner’で
のスティーヴのスタジオ盤ではあまり聴けないギター・ソロだろう。
わずか40分足らずではあるが、その内容の濃さでは充分に満腹感を味わえるラ
イヴ・アルバムと言える。