PRODUCER特集 ( No.9 〜 TONY VISCONTI)

70年代のデヴィッド・ボウイの殆どのアルバムをプロデュース、またT.REXの代表作を手がけてその
名を一躍有名にすると共にグラム・ロックの火付け役となった。以下紹介するアーティストの他には、
Boomtown RatzやStrawbsといった個性派のアーティストを主にプロデュースした。
彼のプロデュース作が各アーチストにとって、それぞれ重要な分岐点となっている点に注目したい。
バッド・フィンガーはアイビーズというバンドから転機した時期だし、T.Rexはそれまでのフォーク・
サウンドからグラム・ロックへ変わる時期だし、シン・リジーはその黄金期を築いたもう一人のギタリス
ト、ブライアン・ロバートソン最後の作品だったし・・・・・。
その中でも印象深い作品を紹介しよう。



MAGIC CHRISTIAN
MUSIC
(1970)

BAD FINGER
売れないバンド‘アイビーズ’がバンド名を変え、ポール・マッカートニー作
COME AND GET IT’のヒットで一躍有名となった作品。殆どがアイビーズ
時代の作品だが、この頃からすでにビートルズっぽい曲があったようだ。
ハードな曲調なものから、美しいバラード‘CARRY ON TILL TOMORROW
まで作風はけっこう変化に富んでいる。ギタリストTom Evans 作の‘FISHER
MAN’‘BEAUTIFUL AND BLUE’などが歌い方も含めてビートルズ風で
面白い。佳曲が揃う名盤と言えよう。
ELECTRIC
WARRIOR
(1971)

T.REX
GET IT ON’‘JEEPSTER’の2大ヒット曲を含むボランの代表作であると共
に、グラム・ロック時代の夜明けを告げる作品でもある。暗闇の中、ギター
を弾き金色に浮びあがるボランの姿はまさに、邦題の通り『電気の武者』
だ。ここではまだ幾分押さえ気味なVo.が目立つが、上記の2曲の他
MAMBO SON’‘LEAN WOMAN BLUES’‘RIP OFF’などバチバチと
破裂しそうなサウンドは随所に聴ける。‘ボラン・ブギー’は次作の‘THE
SLIDER’にて開花する。
INDISCREET
(1975)

SPARKS
トッド・ラングレンに見出されて71年にデビューしたアメリカ人のロンとラッ
セルのメイル兄弟のグループです。『キモノ・マイ・ハウス』『プロパガンダ』
と続いたモダン・ポップ三部作の最後。その作風は10ccにも通じる遊び
の感覚とでもいうか、まるでミュージカルを見ているかのような錯覚に陥る
作品ばかりである。ポップなコーラスに導かれていくと、いきなりハード・
ブギーなメロディーになる‘HOSPITALITY ON PARADE’や50年代風
ボードヴィル調の‘LOOKS,LOOKS,LOOKS’など楽しさ満載!
BAD
REPPUTAYION
(1977)

THIN LIZZY
ロバートソン参加の最後のアルバムで、表ジャケットにはすでにその姿は
ない。比較的メロディアスな曲が多い中、‘BAD REPUTATION’でのゴー
ハムのギターとダウニーのドラミングが光り、ロバートソンも‘OPIUM
TRAIL’‘KILLER WITHOUT A CAUSE’などでガッツ溢れるスリリングス
なギター・プレーを聴かせてくれている。ラスト・ナンバーの‘DEAR LORD
は中期 LIZZY の最後を飾るに相応しい重厚なナンバーに仕上がってる。
ヴィスコンティは次の2作品もプロデュースし、LIZZYのブリティッシュ・
ハード・ロック界での地位を不動のものとした。