TOM WERMAN (トム・ワーマン)

私が『トム・ワーマン』の名前を初めて聞いたのはチープ・トリックの2枚目のアルバム
‘In Color’においてであった。彼はこれ以後チープ・トリックのアルバムでは‘Heaven
Tonight’‘Dream Police’と、日本はもちろんアメリカでもチープ・トリック人気が出る
大きな要因となる重要なアルバムを作っている。他のアーティストの作品ではあまりそ
の名は知られていないが、私の所有しているCDの中にも何枚か彼の名前を見つける
事が出来たので、ここにご紹介しましょう。



IN COLOR
(1977)

CHEAP TRICK
ここから彼らの日本での音楽雑誌での露出度が一気に高まり、世界のチープ
・トリックへと羽ばたく貴重な第一歩となる。3分程度のメロディアスでキャッチ
ーな曲ばかりと言うのも聴いてて疲れなくて良いし、サウンドのほうも今聴くと
かなり計算し尽くされたような緻密なものだと思う。‘I WANT YOU TO WAN'T
ME’(甘い罠)、‘CLOCK STRIKES TEN’(今夜は帰さない)などの邦題も上手
くマッチしたようだ。適度にハードで、適度にビートルズっぽく、そしてメンバー
の個性を視覚的に訴える、リック・ニールセンはその曲作り同様中々頭が切
れる人だ。トム・ピーターソンの12弦ベースのサウンド効果も忘れてはならな
い存在だ。この頃はクイーンといい、日本のティーン・エイジャーの先見の明は
かなりのものだったと言わざるを得ない。
CAT SCRATCH
FEVER
(1977)

TED NUGENT
さて、お次は野獣誕生ともいうべきジャケットのワイルドな男、テッド・ニュージ
ェントの登場だ。後に髭を剃った顔を見たら意外と美男子なのでびっくりした
憶えがあるが、この当時はまだ雑誌等で見る限りは皆凄いパフォーマンスを
した写真だらけであった。しかし、テッドはただワイルドなだけでは決して無い
。それはこのアルバムの中に収められている‘HOME BOUND’というインスト
・ナンバーを聴いてもらいたい。当時、私は良くFENを聴いていたのだが、これ
が良くオン・エアーされていて、このカッコ良い曲は一体誰の曲なんだろうと思
っていたものだ。今まで色々とギタリストのインスト・ナンバーは聴いてきたつも
りだが、これほどシンプルかつ豪快でエキサイティングで、メロディアスなナン
バーに出会った事は無い。これ一曲を聴くためにこのアルバムを買っても決し
て損は無いと思う。テッドについてはLIVE!LIVE!LIVE!でも載せてます。
FLIRTIN' WITH
DISASTER
(1979)

MOLLY HATCHET
こちらもサザン・ロック特集でライヴ・アルバムを紹介したバンドであるが、レイ
ナード・スキナードの故ロニー・ヴァン・ザントに見出されて78年にデビューし
た。これは彼らの2枚目のアルバムで全米19位となった代表作でどれも溌剌
としたサザン・ロック・スピリッツに溢れていて小気味良い演奏を披露してくれ
ている。やはりレイナードと同じくトリプル・ギターを売りとしていて、初期のサウ
ンドはレイナードのそれを明らかに継承している。タイトル曲‘FKIRTIN' WITH
DISASTER’におけるスピーディーなトリプル・リード・ギターがやはり圧巻で、
他にはボビー・ウーマックのカヴァー曲‘IT'S All OVER NOW’や‘BOOGIE NO
MORE’‘GOOD ROCKIN'’‘GUNSMOKE’‘LET THE GOOD TIMES ROLL’な
どのブギー・サウンドが聴いていてなんとも心地良い。トム・ワーマンは一枚目
からプロデュースしている。
OPEN UP AND
SAY...AHH !
(1988)

POISON
LAメタル・シーンから80年代後半に飛び出したバンドで、そのサウンドはキッ
スやエアロスミスなどのバンドからもロックン・ロールのエッセンスを受け継い
でると言える。デビュー当時はドギツイメークをしていてキワモノ的存在として
取り上げられていた節もあったが、そのスピーディーなサウンドとポップなハー
モニーは結構侮れないものがある。ここからはロギンス&メッシーナの‘YOUR
MAMA DON'T DANCE’をカヴァーしてスマッシュ・ヒットさせた。他にはやはり
ポップなロックン・ロール‘FALLEN ANGEL’やアコースティックなバラード・ナン
バー‘EVERY ROSE HAS ITS THORN’などが良い。彼らの2枚組ライヴ・アル
バム‘SWALLOW THIS LIVE’は必聴。時々、中古CD屋さんで恐ろしいくらい
安い値段で見かけます。