Wings (ウィングス)


「ウィングス」はもちろんポール・マッカートニーが率いるバンドのことです。ビートルズ解散後に
ポールがソロ活動の後、結成したのがこのウィングスでシングル「アイルランドに平和を」でデ
ビューしました。実は私がビートルズ関係で初めて買ったのがこのシングル盤でした。当時、
ラジオで初めて聴いた時はかなりの衝撃を受けました。ともかくそのカッコ良いイントロにノック
・アウトされ、毎日家に帰るや否や何度も繰り返し聴いた覚えがあります。
因みにこのB面のナンバーは「インストゥルメンタル」となっており、私はその意味が良く判らず
「B面は一体どんな曲なんだろう」とワクワクしながらレコード針を落とした記憶があります(笑)
そんな思い入れが深いバンド「Wings」のアルバムを紹介したいと思います。


Red Rose Speedway

(1973)
兎に角このジャケットのカッコ良さには思わずハッとする程の美しさがある。
LPだったら額に入れて部屋に飾りたいアルバム・ベスト5に必ずや入るジャ
ケットだ。このアルバムからは妻リンダに捧げたナンバー「My Love」がヒッ
トする。ヘンリー・マッカロク屈指のギター・ソロが光り、彼のギターは1曲
目の「Big Barn Bed」でも渋いソロを聴かせてくれている。前作「Wild Life」
が幾分トーンの暗いナンバーが多かった感じだが、ここでは「Get On The
Right Thing」「One More Kiss」4曲構成の「Medley」などメロディ・メーカー
としてのポールの魅力溢れるナンバーが目を引く。ウィングスとしてのデビ
ュー・アルバム「Wild Life」がポールの私的な部分がまだ多かったのに比
べるとこのアルバムではバンドとしてのアンサンブルに比重を置き、これか
らの多彩な方向性を見出したアルバムと言える。
Band On The Run

(1973)
前作からのギターのヘンリーとドラムのデニー・シーウェルが相次いで脱退
して、ポール、リンダ、デニー・レーンの3人でナイジェリアのラゴスにて録音
されたアルバム。発売当時は日本のロック雑誌でもそれほど話題にも上ら
なかったが、アメリカでのアルバム1位に伴い遂には「名盤」と言われる程に
もなった。かく言う私も発売後すぐに買って聴いたが、実はいまいちピンとは
来ませんでした。3部構成からなる「Band On The Run」、ちょっとボサノバ
調な「Bluebird」、ベース・ラインがリズミカルな「Mrs.Vanderbilt」、ジョージ
・ハリソン的なメロディがちょっと微笑ましい「No Words」、遊び心一杯のポッ
プ「Picasso's Last Words」、聴き終える度に溜め息が出てしまう程ラストを
飾るに相応しい壮大な「Nineteen Hundred And Eighty Five」と1曲1曲のク
オリティが実に高いナンバーが揃い、今こうして33年の時を経て聴き返して
見ると、聴けば聴くほど味が出てくるアルバムと言える。70’Popsの金字塔
的なアルバムと言わざるを得ないだろう。
Venus And Mars

(1975)
いよいよ「WINGS」というバンド名義で発売されたこのアルバムは私にとって
非常に思い出深い。当時、愛読していた「音楽専科」と言うロック雑誌に感
想を載せたら掲載されたからだ。何て言うことはない。「Rock Show」と言う
ナンバーにJimmy Pageの名前が出てくることを書いただけの物であった。
それでも愛読書に名前が掲載されたことは非常に嬉しかった覚えがある。
タイトル・ナンバーをモチーフにしたコンセプト・アルバムと言えなくもないが
ポールらしい佳曲が並んだいつもの秀作。例えばボードビル調の「You
Gave Me The Answer」、思いっきりリズミカルな「Magneto And Titanium
Man」、郡を抜いて飛び切りポップな作品「Listen To What The Man Said
などが素晴らしい。新加入のジミー・マッカローのギターが所々で冴え、こ
れはこれで良いのだが、アルバム全体のトーンを考えると少々異質なもの
を感じてしまう。Wingsのアルバムとしては90点、ポールのアルバムとして
は80点という所か。
Wings At The Speed
Of Sound

(1976)
益々、個々のメンバーにスポット・ライトを当てた作品が多くなったアルバム
で、果たしてこのアルバムが好きかどうかと言われると辛い部分がある。
シングル・カットされた「Let' Em In」「Silly Love Song」は流石に秀逸な出来
映えで、いかにもポールらしいベース・ラインが良い。唯一ロックン・ロール・
ナンバーとも言うべき「Beware My Love」は決して嫌いなタイプの作品では
無いが、もう少しドラマティックな部分が欲しいところ。ポール以外のメンバ
ーがリードVo.をとるナンバーが5曲収録されているのだが、個人的にはもし
Wings名義でなければ取るに足らないと感じてしまうナンバーが多い。
そう言った理由から、この時期より私は大好きなポールと少し距離を置き始
めた。次のスタジオ・アルバム「London Town」に於いては発売されてから
も、全く買う気すら起きずにいたりしたものだった。
Wings Greatest

(1978)
シングル・ヒットの多いポール(&Wings)のベストだから、今までアルバム
未収録のシングル・ヒット中心かと思いきや、当時はかなり裏切られた思い
が強かった。それでも「Live And Let Die」「Junior's Farm」「Hi Hi Hi」と言
ったナンバーが収録されているアルバムとしては、当時このベストしか無か
った訳だから、憧れのアルバムではあった。今思うと「Another Day」「Uncle
Albert/Admiral Halsey」はポールのソロ名義で出したナンバーだから、代
りに「Give Ireland Back To The Irish」「Mary Had A Little Lamb」「Helen
Wheels」辺りを入れて欲しい気がする。後に「Wingspan」を発表するが、ここ
でも「Give 〜」「Mary 〜」は収録されていない。要するにポールはケチなの
か?尚、ここに収録の「Junior's Farm」はフル・バージョンなので貴重だ。
この曲でのジミー・マッカローのギターは実に最高で、個人的にはWingsの
曲での彼のベスト・パフォーマンスだと思っている。また、72年発表の「Hi
Hi Hi」は当時のグラム・ロックに対するポールの回答だと言えるナンバーで
この時代のポールのシングルには何れも華があった。

ヘンリーとデニーの作り笑顔がなんとも^^;

( 2006/03/19 UP)

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